北海道コンサドーレ札幌は2-2でアルビレックス新潟と引き分け、アウェーで勝ち点1をつかんだ。1-2の後半34分、途中出場したMF浅野雄也(26)が左足で同点ゴール。広島から今季加入後初得点で追いついた。ペトロビッチ監督(65)のJ1最多525戦目の記念すべき采配を白星で飾れず、今季初勝利はお預けとなったが、2連敗は阻止した。

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思いのつまった浅野の移籍後初ゴールは、流れるようなパス交換から生まれた。右からのパスを受けてターンし、左のMF荒野に1度預ける。折り返しを左足ダイレクトで合わせると、ゴール左上、クロスバーに当てながらねじ込んだ。同点。「キャンプの練習試合からゴールに自分が関われなかったので、ホッとしています」。両手を挙げ、歓喜に沸くサポーターに、自分の存在をアピールした。

開幕から2戦は先発。この日、J1通算最多の采配数に達した指揮官の信頼を受けたが、得点にからめず、この日の3戦目で途中出場となった。「もちろんスタメンで出たいなとは思いました。ただ(監督から)『後半からは行くぞ』と言われていたので、そこはスッキリ切り替えた」。先発を取り返す覚悟で出番を待ち、結果を出した。

昇格して開幕から1勝1分けと勢いに乗る新潟に1度は逆転を許した。嫌な流れを一変させたのは、やはりJ1で525試合目の指揮官だった。後半開始からスピードのある浅野を投入。逆に負傷明けで今季初出場のMF小柏にはハーフタイムに「まだできるか」と、予定の45分を延長しての出場を打診し、チーム全体のプレー速度が落ちるのを避けて、試合を運んだ。同点ゴールは小柏の交代後だったが「やはり浅野選手、小柏選手のようなスピードのある選手が入ることで我々の攻撃のテンポが上がる。そのことが大きかった」と、ペトロビッチ監督が表情を緩ませた。

開幕3戦未勝利となったが、後半に追いつき敵地で引き分けに持ち込んだ。指揮官は「もうすでに、私は頭が痛いよ。次のリーグ戦の横浜マリノス戦が、来週にはあるからね」と次戦を見据えた。昨季のリーグ王者から勝ち点3を奪う。【中島洋尚】

○…MF小柏が今季初出場で先発し、右から正確なクロスを上げてMF青木の先制点をアシストした。「誰が(中央に)入ってきても決められるかなというボールを上げられたので良かった」と胸を張った。試合前日の監督からの「行けるか」という打診に「『行かない』という選択肢もありましたが、行って良かった。今日は100点満点中80点。あとの20点は点が取れれば。次の札幌ドームで勝ち点3を取りたい」と、さらなる闘志を見せていた。

▽前半17分に先制点を決めたMF青木 うまく中に入れたのも良かったですし、(小柏)剛なら(クロスが)出るだろうなと思って走っていました。当たったのは腰です。