徳島ヴォルティスが今季12試合目にして初勝利を挙げた。勝利の立役者となったのは、2ゴールを決めた33歳のベテラン柿谷曜一朗だった。

開始早々FW森海渡のゴールでリードして迎えた前半20分、カウンターからゴール前左サイドでパスを受けた柿谷が、個人技を披露した。

タッチが大きくなって相手が食いついてきたところを逆手に、左足で右へボールを突いてかわすと、続けざまに寄せてきた選手もひらりとかわし、右足で対角のポスト際へシュートを決めた。これで幸先良く2点をリードした。

さらに後半15分。相手DFラインのボール回しをFW森の追い込み、苦し紛れのパスを中央で柿谷がカット。そのまま右足を振り抜いたシュートは、相手選手の足に当たってコースが変わったが、しっかりゴールに飛び込んだ。

元日本代表で14年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会にも出場した技巧派が、アウェーで強敵相手に存在感を発揮。柿谷の2点が効いて、チームは1点差で逃げ切った。

柿谷は喜びをかみしめながら「(初勝利まで)長かったです。信じて付いてきてくれたサポーターのために勝ちたかった。勝てて良かったです。やっとスタートラインに着けました」と話した。

自らの2ゴールについては「FWで使ってくれているので、しっかりシュートを打とうと思った。勝ちにつながって良かったです」目尻を下げた。

「天才」と呼ばれた名手の輝きとともに、最下位の徳島が反撃の気運を高めた。