首位を走るヴィッセル神戸の元日本代表FW武藤嘉紀(30)が、7月1日を最後に途中退団する主将MFアンドレス・イニエスタ(39)へ、惜別の勝利“第1弾”を贈った。

武藤は古巣FC東京を相手に、2ゴールを含む全3得点に絡む大活躍。1試合マルチ得点は今季2度目、FW大迫勇也(33)とのアベック弾は同3度目。これで今季15試合6得点、J1通算は106試合40得点に伸ばした。

前半だけで先制、追加点を決めた武藤は試合後、イニエスタに対する熱い胸の内を語った。

「本当に世界最高の選手とプレーでき、僕らの宝物で幸せな時間だった。残り少ない時間だが、一緒にプレーできることをかみしめて、できればいい。神戸に残してくれたものは、計り知れない。いい状態で送り出したい」

イニエスタは25日に記者会見し、退団を正式表明。この日は会見から初めて迎えた試合で、主将も2試合ぶりにベンチ入り。出番は巡ってこなかったが、武藤ら選手の思いは一緒だった。

得点ランキング首位を走り、2試合連発となる今季11点目を決めた大迫も同じだった。前半41分、技ありの右ヒールでゴールした背番号10は「彼がいたから、ここ(神戸)に来たというのもある。いなくなるのは残念だが、僕らは結果を残す責任がある」と表情を引き締めた。

後半にハンドの反則からPKで2失点したのは反省だが、神戸はこれで4勝2分けと最近6試合で不敗を誇り、2桁勝利一番乗りで通算10勝3分け2敗の勝ち点33とした。

イニエスタの退団までリーグ戦は残り4試合。惜別の勝利“第2弾”“第3弾”を贈る機会は、まだまだある。神戸が一致団結で悲願のJ1初優勝を目指す。