清水桜が丘が清水東との「清水ダービー」を2-1で制し、2019年以来4年ぶりの優勝に王手をかけた。セットプレーで奪った前半のリードを守り抜き、接戦をものにした。静岡学園は飛龍を3-2で振りきり、優勝した21年以来2年ぶりの決勝進出を決めた。全国総体出場1枠を懸けた頂上決戦は、来月4日に袋井・エコパスタジアムで行われる。

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清水桜が丘が耐え切った。2-1で迎えた試合終盤。相手の猛攻をしのぎ、4年ぶりの決勝進出を告げる笛が鳴った。今季、清水東とは公式戦で3度対戦して全勝。“4度目の正直”を狙った相手を、再び返り討ちにした。DF岡谷龍斗主将(3年)は「いつもより全員が声を出して、最後まで戦えた」。一丸でつかんだ勝利をかみしめた。

0-0の前半2分、FW柴田光(3年)が右CKに反応。相手GKが伸ばした手より先に頭で捉え、先制のネットを揺らした。同35分にも再び、右CKから追加点が生まれる。DF木村海惺(3年)が中央から頭で豪快にたたき込んだ。

木村は172センチと小柄ながら、全てCKから今大会4点目。「自信がある」と胸を張る武器の“飛び道具”が、この日も要所でさえた。チームは、準決勝・磐田東戦(3○1)でもFKから決勝点を奪取。指揮官も「トーナメントでセットプレーは大事なこと。そこから点を取れたことは良かった」とうなずいた。

決勝の相手は、高校年代最高峰の高円宮杯プレミアリーグWESTで首位を走る静岡学園。それでも、木村は「耐える時間が長くなると思う。こらえてチャンスをものにしたい」と力強く語った。4年ぶりの大舞台まであと1勝。難敵を仕留める武器はある。【前田和哉】