夏の全国舞台を懸けて名門同士が激突する。高校総体サッカー県大会決勝が4日、袋井・エコパスタジアム(午後2時5分)で行われる。全国切符を懸けた一戦で清水桜が丘と静岡学園が対戦。4年ぶりの優勝を狙う清水桜が丘は、セットプレーのキッカーを任されているMF沢野航大(3年)が正確なキックでゴールを演出する。

清水桜が丘が「飛び道具」で難敵を打ち破る。磐田東との準々決勝ではFKから決勝点。清水東との準決勝ではCKから2得点を奪って決勝進出を決めた。セットプレーが最大の武器で、得点機を生み出すキーマンはMF沢野だ。

キッカーを任され、正確無比なキックでチャンスを作り出す。沢野は「いつも同じ質のボールを蹴るようにしているし、いいボールを蹴り続ければ絶対にゴールは取れる」。意識するのはボールを受ける選手とのタイミングと弾道で、相手がクリアしにくい速いボールを供給している。

キッカーを任されるようになったのは今年からだった。「チームに蹴る選手がいなくて、監督からやってみろと言われたのがきっかけだった」。全体練習後には居残りでキック練習を敢行。練習試合で対戦したチームのキッカーも手本にしながら、腕を磨いてきた。

対する静岡学園は個人技を軸にボールの保持を得意としている。守備の時間が続くことも予想されるが、積極的な守備で真っ向勝負を挑む。沢野は「自陣でプレーされるときつくなる。そうなる前にボールを奪いたい」。敵陣でのボール奪取から仕掛ける速攻と、セットプレーで勝機を見いだすつもりだ。

4年ぶりの全国出場まであと1勝。3年生にとっては新人戦と県選手権を含めた県内3大大会で入学後初の決勝進出となる。沢野は「今ワクワクした気持ちしかない。最初からエンジン全開でいって必ず優勝したい」とチームの思いを代弁した。試合当日は約800人の全校生徒も応援に駆けつける予定。大声援も力に変えて、4年ぶりの栄冠をつかみ取る。【神谷亮磨】