鹿島アントラーズが、サガン鳥栖に競り勝ち、上位戦線に食らい付いた。

日本代表の森保一監督が視察する中、前半26分にMF樋口雄太(26)が先制した。ペナルティーアーク付近でMFピトゥカのパスを受けると、左足でゴール右下に突き刺した。後半21分に追いつかれたが、後半35分に途中出場のMF藤井が倒されて得たPKを、同じく途中出場のFW知念が右下隅に決め勝ち越し。ホームで勝ち点3を手にした。

古巣から得点した樋口は「ピトゥカが出してくれたらいいなと思っていた。シュートまでのイメージはあった。ピトゥカに感謝したい」とした。喜びが控えめだった理由について「僕自身が感謝してるクラブ。敬意があったので」と明かした。

7月の天皇杯3回戦ではJ2のヴァンフォーレ甲府とPK戦にもつれこみ、樋口が2度、PKを失敗し鹿島はタイトルを逃していた。8月に2得点を挙げ「そこがきっかけで好調を維持できていると思う。シーズン終わるまで継続できたら、また先のステージが見えてくると思う」。

現在、アシスト数はリーグ1位の11。視察した森保監督は「勤勉にハードワークが出来る。今日の得点もダイレクトのシュートで技術力の高さが出た。フリーキックも本人の武器であることはこれまでの視察でもデータとして持っている。また、見続けていきたい」と評価していた。樋口も日本代表に「目指している場所」と口にし「目に見える結果が大事。去年は2得点で、もっと怖い選手になりたいので、今年は得点を意識している。5得点はいきたい」。競争の激しい日本代表の座に割って入る覚悟だ。