北海道コンサドーレ札幌はホームで柏レイソルに1-2で敗れ、3試合ぶり勝利を挙げられなかった。前半21分、38分に連続失点し、0-2の後半6分にMFスパチョーク(25)が今季7点目で反撃したが、逆転はできなかった。累積警告による出場停止3選手という逆境を跳ね返せなかった。

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札幌は、試合が終了しても歌い続けるサポーターの声援に応える勝利を届けられなかった。ホイッスルが鳴るとDF福森晃斗(30)やMF小林祐希(31)は、90分走り続けた疲労と悔しさで、ピッチに座り込んだ。主導権を握られた前半の2失点を、後半ひっくり返す力はなかった。警戒していた相手のカウンターに屈した。ペトロビッチ監督(65)は「逆転してもおかしくないチャンスもあったが、持って行けなかった。非常に悔しい結果」と残念がった。

ベンチを見れば、緊急事態であることが一目瞭然だった。控えGKに菅野孝憲(39)と松原修平(31)の2人が入る、異様な光景。MF宮沢裕樹(34)、荒野拓馬(30)、DF岡村大八(26)の3選手が同時に出場停止。今季限りでの現役引退を発表したMF小野伸二(44)とFWキム・ゴンヒ(28)は負傷離脱中。DF馬場晴也(21)はU-22日本代表として杭州アジア大会に出場中。ベンチ入り可能なフィールドプレーヤーが5選手しかおらず、残り1枠にもう1人GKを入れるしかなかった。

そのピンチは交代策に影響した。カードを切ったのは、80分が経過してから。最終的に5枠使い切らず、3選手を投入したが、流れを変えられなかった。今夏の移籍期間に5選手が期限付き移籍した。補強はGK高木俊(34)の1人のみ。減少した選手数の不足、選手層の薄さが響いた。

後半6分に小林の浮き球スルーパスから、スパチョークが相手GKからのこぼれ球を右足で押し込み1点返した。5試合連続で先発し4得点と結果を残して奮闘する。「一番大事なのはチームの結果」と悔しがっていた。【保坂果那】