セレッソ大阪が、今季で3年契約が終了する元日本代表で主将のMF清武弘嗣(34)に対し、契約延長のオファーを出すことが28日、分かった。クラブ幹部が断言した。12月3日の今季最終アウェー新潟戦後、正式に通知される。

今季はかつてない故障に苦しんだ清武は、ここまで公式戦出場はわずか2試合だけ。推定年俸1億円に見合わないシーズンで、このオフは長期契約が終了するタイミングだったが、クラブは10年近く在籍するレジェンドに対し、最大の敬意を払い、契約延長オファーを出すことを決めた。

ある幹部は「本人が辞めたいといえば別だが、まだまだセレッソに欠かせない存在」と明言。減俸は避けられないものの、交渉はスムーズにいくとみられる。

清武は今季開幕前の2月に左太もも裏を負傷し、最初の長期離脱を余儀なくされた。迎えた初の公式戦が7月12日の天皇杯3回戦、J2大宮戦での途中出場だった。アシストも記録して勝利に貢献しながら、数日後の練習で再び同じ箇所を負傷し、同28日に手術を受けた。

当時は今季絶望とみられ、来季の去就に大きな不安要素をもたらせていたが、今月25日の京都戦で初のリーグ戦ベンチ入りを果たし、後半途中から約20分間プレー。誰もまねできない技術で多彩な攻撃を演出し、MF香川真司(34)との約13年7カ月ぶりの再共演を果たした。

ホーム最終戦だった京都戦後は、ピッチ上でマイクを握った清武が「なかなか結果や満足いくパフォーマンスが出せていないと思うが、これは選手だけでなく、C大阪として皆さまと積み上げていくものと思う。あきらめず、みんなで信じて応援してください」と、引き続き応援を呼びかけていた。

C大阪は93年12月にクラブが設立され、24年シーズンは30周年記念イヤーと銘打ち、リーグ戦初優勝や、17年に2冠を獲得したルヴァン杯と天皇杯以来のカップ戦制覇を目指すことになる。来年3月で35歳を迎える香川は、既にクラブ残留を明言しており、1学年下の清武とのレジェンド2枚看板で常勝軍団へと導く。