ヴィッセル神戸は9日、神戸市内のいぶきの森球技場でメディア公開練習を行った。

今季、川崎フロンターレから完全移籍加入したFW宮代大聖(23)が軽快な動きを見せた。

7日に国立競技場で行われたMLSインテル・マイアミとのプレシーズンマッチでは、後半15分から出場。FW大迫勇也(33)からのパスでシュートチャンスを得るなど、神戸に新たな風を吹き込んだ。2番目のキッカーを務めたPK戦では、右足アウトサイドでゴール右隅に決める巧みなシュートも披露した。ここまでの調整について、宮代は「味方と相手を見ながら、流動的に動けている」と好感触であることをうかがわせた。

それでも吉田孝行監督(46)は、マイアミ戦でのプレーに物足りなさを感じた様子。「(宮代)大聖はもっとできる選手。マイアミ戦ではそこまで持ち味は出なかった。ただ、ここまでのパフォーマンスは本当にいいし、もっとできるので楽しみにしてもらいたい」。FW大迫勇也(33)とのツートップ起用も模索する指揮官は、能力の高さを知るからこそ、高い基準の中でのプレーを要求した。

17日の富士フイルムスーパーカップ(国立)では、さっそく小学生の頃から所属した川崎Fとぶつかることになる。「早すぎたなというのはあります(笑い)」と苦笑いを見せながらも、宮代はこの試合への強い気持ちを口にした。

「(移籍して)まだ数カ月だけど、やっぱり負けたくないし、与えられたプレー時間でしっかり結果を出したい。それがフロンターレの人たちへの恩返しにもつながるのかなと思う」。

今季を占うタイトルをかけた試合で、神戸の新しい9番は両軍サポーターに向けてあいさつ代わりとなるゴールを狙う。【永田淳】