柏レイソルはJ2ジェフ千葉に1-2で敗れ、2年連続で黒星となった。今季から取り組んでいる、後方からつなぐ攻撃の組み立てに挑戦したが、高い位置でボールを失い、ピンチを招いてしまった。攻撃も、昨季からの課題の決定力に欠け、後半アディショナルタイムにMFマテウス・サヴィオのミドル弾で1点を返すのが精いっぱいだった。

敗れたが、今季J2熊本から加入したMF島村拓弥(24)が存在感を見せた。後半25分からMF山田雄士(23)に代わり、右MFでピッチに入ると、得意のドリブルや、パス&ゴーで攻撃にアクセントを付け、右サイドをえぐってのクロスで好機もつくった。「途中出場だったので、チャンスを作れるように前向きにプレーしようと。流れを変えるプレーを意識した」と振り返った。

島村が仕掛けるとサポーターからどよめきも起こり、試合後は、柏の幼い子供サポーターから「島村、よかったよー!」とのかけ声も飛んだほど。「子供の声援は聞こえました」と笑い「リーグ戦が始まっていないので、リーグ戦でいい試合を見せられるようにしたい」。エースFW細谷、司令塔のMFマテウス・サヴィオとの連係もさらに良くなる伸びしろも感じさせた。

岡山県出身で、小学校・中学校の同級生はドジャースの山本由伸投手。山本投手がオリックス在籍時、SNSで島村と食事に行ったことを報告し、2ショット写真を載せたこともある。島村は新加入発表の場で「僕がバロンドールを取ってやっと追いつけるぐらい。J1で試合に出て活躍すればちょっとだけ追いつける」と話していた。短い時間でサポーターの心をつかんだ島村。自身初のJ1のリーグ戦でピッチに立つ日も近い。