J2藤枝MYFCは0-0で長崎とスコアレスドロー。クラブ最多入場者数を更新した一戦で開幕白星を逃した。

   ◇   ◇   ◇

藤枝は3年連続の白星発進を逃した。バックスタンドの改修を終えた本拠地での開幕戦。クラブ最多入場者数を更新する7243人の観客が集結したが、結果は引き分けだった。須藤大輔監督(46)は「夢の劇場のような空間で、最高の雰囲気をつくってもらった。結果が出なくて非常に残念だった」と唇をかんだ。

最低限の勝ち点1獲得に終わったが、収穫もあった。シュート数は5対8本。特に後半は守勢に回る時間帯が多かったが、得点は許さなかった。指揮官は「クロス対応やシュートブロックは向上している。無失点で終えられた事は評価できる」。昨季、リーグ最下位の72失点だった守備には改善の兆しが見えた。

さらに、3季連続で主将を務めるMF杉田真彦(28)が後半16分に途中出場。右膝前十字靱帯(じんたい)断裂などの大けがを負った昨年5月の山形戦以来、293日ぶりに公式戦のピッチに帰ってきた。描いた「復帰即ゴール」とはいかなかったが「この雰囲気でプレーできた事が次につながる」と笑顔を見せた。

次節はアウェーで千葉と対戦。前半、決定機でシュートがポストに嫌われたMF浅倉廉(22)は「もっと精度上げて怖さを出したい」。指揮官も「我々が目指すのは『無失点で終わる』ではなく複数得点。もっともっと攻撃的にいく姿勢を次節は見せたい」と顔を上げ、力を込めた。【前田和哉】