清水がホーム開幕戦を白星で飾った。2-0で愛媛に完封勝ち。今季から主将を務める下部組織出身のFW北川航也(27)が後半に2得点を挙げ、07年以来17年ぶりの開幕2連勝に導いた。

   ◇   ◇   ◇

天性のゴールハンターが目覚めた。清水は後半13分、ピッチの幅を使ったダイナミックな展開で相手を翻弄(ほんろう)。北川は一瞬の隙を見逃さなかった。「相手がついてこれていなかったのは分かった」。味方からの左クロスに飛び込み、ヘディングで逆サイドネットに流し込んだ。均衡を破る今季1号で先制点。オレンジ一色に染まったスタンドに向かって粋なゴールパフォーマンスも見せた。

人さし指を立て、目元にはピースサイン。清水でも活躍し、昨季限りで現役を引退したブラジル人FWドウグラス(36)が得点後に披露するパフォーマンスだった。北川は「ドグに敬意を示すという意味で。次のステージでも頑張ってほしい」。清水で2トップを組んだ1年間で北川も大きく躍進。日本代表に選出され、夢の欧州移籍もかなえた。「彼の存在は大きかった」。かつての相棒に感謝の思いとエールを届けた。

先制後は押し込まれる時間が続いたが、最後にトドメを刺した。同44分、左サイドを崩すと、クロスを右足で押し込み、追加点。自身6シーズンぶりとなるマルチ弾で勝負を決定付けた。「自分が取ってチームも勝てるのはストライカーとして一番うれしいこと」。開幕2連勝の立役者は充実感をにじませた。

今季は下部組織出身選手としては3人目となる主将に就任。クラブ愛は誰よりも強い。「この連勝をさらに大きなものにするためにも次の試合が大事」。生え抜きのエースは結果でチームを引っ張り続けていく。【神谷亮磨】