<ナビスコ杯:清水3-1東京>◇B組◇第1節◇20日◇日本平

 J1清水が3-1で東京を下し、8年ぶりのナビスコ杯白星スタートを今季ホーム初勝利で決めた。前半2分に今季初ゴールを決めたFW矢島卓郎(23)と、今季公式戦初先発のFW西沢明訓(31)の2トップの活躍が光った。

 8年ぶりのナビスコ杯初戦勝利と今季ホーム初白星を祝う花火が、日本平の曇り空に打ち上げられた。1-1に追いつかれながらも守備陣がしのぎ、攻撃陣は何度も東京ゴールを襲って計3得点。長谷川監督は「初戦からホームで勝ち点3を取れてうれしい。セットプレーで取れたのもうれしいし、最後は押し込まれたが集中力を切らさなかった」と選手をたたえた。

 西沢と矢島の2トップがひときわ輝いた。前半2分には、西沢からボールを受けた矢島が約20メートルをドリブルで突破。ゴール左から右足で丁寧に右上へと蹴り込んだ。練習からコンビネーションを高め「試合中に目が合う回数が格段に増えた」(西沢)という2人。矢島が「シュートはうまくいきました。アキさんのおかげ」と言えば、西沢も「ヤジはスピードがあるので、生かせるようなプレーをさせるようにしていた」とほほ笑んだ。

 今季初先発の西沢もフル出場で存在感を見せつけた。安定したポストプレーだけでなく、前半31分にはPKも獲得した。長谷川監督は「良かったでしょ、親分。完全復活と言っていい。今後の核になってほしい」と絶賛。西沢も「久々のスタメンで得点はできなかったが、最低限の仕事はできたかなと思う」と、ほおを緩めた。

 鬼門だったナビスコ杯初戦を完勝で制し、予選リーグ1位通過へ好発進した。その結果以上に、得たものは大きい。DF高木和主将は「チームとしてやれることをちゃんとやれば、こうやっていいゲームができる」とうなずいた。清水が、聖地・日本平で本来の姿を取り戻した。【浜本卓也】