主力MF(26)が逮捕され戦力ダウンした柏が、緊急補強に着手したことが1日、分かった。チーフスカウトの小見幸隆SDが、フランス2部グルノーブルFW伊藤翔(19)の代理人と先月末に都内で会い、移籍を打診した。まだ返事はもらっていないが、伊藤から帰国の意思が確認された時点で、直ちにグルノーブルへ正式オファーを出す。

 小見SDは「レギュラー1人を急に欠いたわけだから、早速動いた。ポジションは違うけれど、伊藤がきてくれれば、いろんなオプションが試せると思う」。主力MFが先月25日に逮捕され、同SDが伊藤の代理人に会ったのはその2日後で、まさに「後がま」探しと言える。石崎監督も「逮捕された選手はもう戦力としては考えてない」と、既に気持ちは切り替えている。

 伊藤は昨年1月、複数のJクラブからのオファーを蹴って、グルノーブルと3年半契約を結んだ。だがチームが今季、日本人からアフリカ人路線へ切り替えたことから、EU枠などの問題でリーグ戦2試合、カップ戦1試合の出場にとどまっている。しかも今年に入って左足首ねんざもあり、公式戦出場はない。昨年末までは「ずっとヨーロッパで勝負したい」と言っていたが、このままなら新天地を求める可能性もある。

 柏は主力MFが逮捕された後、リーグ戦2連敗。特に「(4月29日の)清水戦は今季ワーストの出来」(石崎監督)と低迷中だ。伊藤の移籍が成立しても、移籍期間の問題などもあり、合流できるのは7月からになる。それまでの5試合、現有戦力で難局を打開するしかない。