J1磐田が23日、磐田市内で新体制発表会を行った。韓国代表に招集されているDFパク・チュホ(23)を除く、今季の新加入選手4人が参加。DFラインの主軸として期待されるDFイ・ガンジン(23)は、兵役を免除されていたことを明かし、プロサッカー選手としての決意を語った。磐田で活躍し、将来的な欧州挑戦にも意欲を見せた。チームは進化を求め「EVOLUTION2010」をキャッチフレーズに、今季5位以内を目標にした。

 イ・ガンジンにとって05年まで在籍した東京V(現J2)以来、5年ぶりのJ。新体制発表会に参加すると、兵役に触れ「4年くらい前に免除された」と明かした。韓国の徴兵制度は義務だ。だが、中卒でプロ入りをした場合は免除されるという。15歳でプロ契約し、Kリーグ水原入り。各世代別代表にも招集されるイ・ガンジンは“エリート”として、サッカーに専念できる環境を得ているのだ。

 徴兵制度はプロスポーツ選手にとって、マイナスになりかねない。2年間競技から離れれば、選手生命さえも脅かす。02年W杯日韓大会で4強入りを果たした韓国代表メンバーでさえ、免除されずに兵役期間短縮にとどまるほど厳格な制度だ。FWイ・グノやDFパクのように大学卒業後にKリーグ入りした選手の多くは、20代後半での入隊を視野に入れなければならない。しかし、イ・ガンジンは「重荷ではなくなる?

 その通り。海外に移籍したときに、考えなくていい」と本音をこぼした。「3年後にはヨーロッパに行ってサッカーがしたい。でもその前に磐田で優勝する」とサッカーのライフプランを描いている。

 すでに日常会話ができるほどの日本語力を持ち、ひらがなやカタカナは書くこともできる。それでも「もっと選手と日本語で話して勉強したい」と話す。家庭教師を雇うことも検討している。チームの今季目標は5位以内。来季には優勝を目指す。黄金期再来を柱になりそうなエリートだ。【栗田成芳】