<高校サッカー北海道大会:北海道文教大明清1-0恵庭南>◇21日◇2回戦◇札幌サッカーアミューズメントパーク

 北海道文教大明清が恵庭南を破り、初のベスト8進出を決めた。0-0の後半40分、MF小倉涼(3年)の左からのクロスを、中央のFW竹中元輝(3年)が左足で合わせて決勝ゴールを奪った。

 大会直前と前日20日の1回戦で、けがのために1人ずつDFの中心選手を失った。この日の後半は何度も恵庭南にゴールを脅かされた。それでも「(けがの)3年生をピッチ外で引退させられなかった」とDF金木圭介主将(3年)。ロスタイム寸前まで全員が体を張り、最後のカウンターのチャンスをものにした。

 7年前からチームを率いる舛田祐市監督(41)の下で、上位チームと互角に戦える力を着実に身に付けてきた。学校内外では常にあいさつを徹底。道内高校サッカー界の盟主で、監督の母校でもある北海道室蘭大谷との練習試合を毎年行ってきた。

 2年前には、元Jリーガーで、母校後輩の京谷和幸氏(41)を招聘(しょうへい)して講演会を実施。交通事故で下半身の自由を失いながら、パラリンピック車いすバスケットボール日本代表主将まで務めた京谷氏の経験談を、選手たちに聞かせた。「人間的な成長を大切にして指導してきました」と舛田監督は話す。

 初の4強まであと1勝。昨年の覇者で、今大会唯一のシード校・旭川実が相手になる。インターハイでは北海道大谷室蘭に同じ4強挑戦で0-2と敗れ、「壁を感じた」と金木主将。それでも準優勝で全国大会出場を決めた女子にも負けたくない気持ちは強い。舛田監督は「組織力でどこまでやれるか」。7年間で育んだ人間力で、王者に挑む。