<J1:磐田2-1鳥栖>◇第2節◇17日◇ヤマハ

 磐田はDF駒野友一(30)の鮮やかなFKで逆転し、森下仁志監督(39)に初勝利を贈った。GK川口能活(36)がJリーグ史上8人目の400試合出場を達成した。

 クロス職人駒野の右足がうなった。1-1で迎えた前半34分。ゴール中央約25メートル付近でFKを獲得すると、短く助走を取り右足を振り抜いた。鋭く曲がった弾道が相手の壁6枚の頭上を越えて、ゴール右隅に吸い込まれたことを確認すると、跳び上がってガッツポーズ。普段はもの静かな男も思わず喜びを爆発させ「狙い通り。いい軌道だった」と自画自賛した。

 何としても勝ちたかった。このオフは欧州移籍を目指したが、寸前で交渉が難航。最終的に断念した。自身の去就が決まらない中でも磐田の練習に参加。当時、駒野は「こんな状況でも練習をする場所を与えてくれたチーム、監督に感謝したい」。今季から就任した森下仁志監督は駒野と同じ和歌山県出身。海外挑戦を応援してくれた指揮官の期待にも応えたかった。森下監督は「(FKは)素晴らしいのひと言。昨日も練習で決めていたしチャンスはあると思った」とたたえた。

 切り替えが早いのも、さらに高みを目指しているからだ。前半は本来のパスサッカーを展開できたが、ミスからカウンターを受ける場面があった。駒野は「僕のゴールが最後の点にならず、もっと点を取らないといけない」。森下監督も「前半のようなサッカーを90分続けられるように精進したい」と先を見据えた。次戦は開幕2連敗中のG大阪と対戦する。結果だけでなく、内容も求めて勝ち点3を奪いにいく。【神谷亮磨】