<J1:G大阪2-6柏>◇第16節◇6月30日◇万博

 松波ガンバが、崖っぷちに立たされた。本拠地万博で6失点の屈辱。前半20分までに3点を失うと、2点を返したものの、後半にも3失点。勝利への執着心もなければ、がむしゃらにボールを追いかける闘志もなし。06年8月のA3・蔚山現代戦で6失点はあるものの、リーグ戦での6失点以上は96年5月4日に同じ柏に万博で1-7で敗れて以来、16年ぶり。歴史的な赤っ恥をかいた。

 試合後には怒ったサポーターがスタンドに居残り、金森喜久男社長(63)へ説明を要求。セホーン前監督の解任により途中就任した松波正信監督(37)は、指揮を執って丸3カ月がたつが、リーグ戦3勝4分け6敗と結果が出ない。順位はJ2降格圏の16位から抜け出せないまま。それでも金森社長は、同監督について「問題が発生しても、選手と修正している」と解任は否定。強化部も現時点で監督交代する意思はなく、松波監督と心中する覚悟だ。

 自信をなくしているからか、采配にも迷いが見られるのは確かだ。この日も得点が欲しい時間帯に、好調のMF二川孝広(32)を下げてDF金正也(24)を投入。開幕時から崩壊状態の守備陣も修正できないまま。松波監督は「(試合の)入りも良くないですし、2点を返してこれから…という時にまた失点する。こういうゲームはしてはいけない」とさすがに参った様子だ。救世主としてFWレアンドロを獲得したが、登録上の問題で出場できるのは7月下旬。打開策がなければ、このまま西の名門が落ちる日が現実になってしまう。【益子浩一】