慶応ボーイを払拭(ふっしょく)する。東京のルーキーMF武藤嘉紀(21)は、今日1日の柏戦での開幕デビューが確実。慶大に籍を置きながらプロ契約を果たし、3トップの左サイドで08年長友以来6年ぶりのルーキー開幕先発を勝ち取った。「試合前日になって落ち着いてきた。気持ちを内側に抑え込んでいるような感じ。怖がってはダメ。自信持ってやればできると思っている」と、言い聞かせる。

 小さな顔に大きな瞳、笑うとキラリと光る白い歯は、アイドル顔負けのイケメン。そして現役慶大生という肩書にチーム内ではよくいじられるが、ここで脱慶応ボーイを図る。「(慶応ボーイは)ちゃらちゃらしているイメージだけど、プレーは違う。泥臭く戦う姿勢を見せる」。大学では1月下旬のテストをクリアし、ここまでの必要単位は取得済み。中学校時代から下部組織で育った東京で、デビューの場は整った。

 抜てきしたフィッカデンティ監督からは、柏の右サイドを警戒し守備重視の指示を受けている。だが、セールスポイントは端正な顔立ちとは裏腹に、ゴリゴリの突破力。「守備が長くなるかもしれないけど、攻撃で力を見せたい」と、開幕デビューを待ちわびた。【栗田成芳】

 ◆武藤嘉紀(むとう・よしのり)1992年(平4)7月15日、東京・世田谷区生まれ。中学から東京U-15深川でプレーし、ユースに昇格。トップ昇格の選択肢がある中で慶大に進学し、12年から昨年まで東京の特別指定選手。今季プロ契約。178センチ、72キロ。