<J1:名古屋1-2C大阪>◇第11節◇3日◇豊田ス

 C大阪の日本代表FW柿谷曜一朗(24)が、開幕11戦目で待望の今季初得点を挙げた。名古屋戦の前半4分にFWフォルランからのパスを右足で決めた。ACLでは6戦4発もJ1では不発続き。12日のW杯日本代表発表を控え、長いトンネルを抜け出した。試合はフォルランの決勝点もあり、7試合ぶりの勝利をつかんだ。

 FW柿谷がJ1ノーゴールにようやく終止符を打った。前半4分、DF酒本が中央に入れた右クロスをFWフォルランが前線に送った。抜け出した柿谷は、右足でのワントラップから元日本代表DF闘莉王をかわし、右足で先制ゴールを生んだ。

 「今まで決めてなくて申し訳なかった。同点に追いつかれ、1人少ない状況で厳しかったが、みんなが1つになって勝てたのが良かった」。12日のW杯日本代表発表が迫っていた。ACLでここまで6戦4発とはいえ、J1で無得点の柿谷には周囲の雑音が増えていた。しかしウルグアイ代表の同僚、フォルランは「柿谷はこのままの調子で大丈夫」と太鼓判を押してくれた。主将のMF山口ら仲間も柿谷へ得点機会を演出する決意だった。

 DF山下が後半途中、2枚目の警告を受け退場。そのPKを決められ同点となり、絶体絶命の危機だった。だが後半33分、フォルランが2試合ぶり今季6点目となる決勝点を決めた。助っ人は自分のことより「W杯へ向けて弾みがつくはず」と、柿谷の得点を喜んだ。7試合ぶりの勝利は一丸となった証しだった。

 「10人で勝てるなら11人でもっといいサッカーをしないといけない。この結果を次につなげないといけない」と柿谷。昨年は開幕戦で初ゴールを決め、最終的に得点ランキング3位の21得点を挙げた。今季は1トップのフォルランを生かすあまり、シュートチャンスは少なく、この日の今季初ゴールはリーグ戦通算885分目。17本目のシュートからだった。

 名古屋戦を終え、これでW杯メンバー発表までACLを含めて公式戦残り2試合となった。代表入りは確実視されるが、柿谷に油断はない。【福岡吉央】