森保一監督(54)は、手の内を隠すことなくW杯に向かう。カナダ戦の前日会見で、続々と選手起用について言及。冨安が欠場するとし、遠藤と守田が不在となったボランチは「田中と柴崎で先発することになる」と、右膝の故障明けの田中の起用を明言した。

特にボランチは選出された4人のうち3人が故障に悩まされる非常事態。それでも指揮官は「不測の事態は起こりえる」と、動じることなくW杯本番前最後の一戦を見据える。同じく右膝の負傷から実戦復帰できていない浅野、右膝の故障から復帰したばかりの板倉についても「スタートで出てもらおうと思っている」とした。公式練習では浅野は右膝周辺にテーピングを巻きボール回しなどをこなした。6枠の交代枠も試合状況を見ながら最大限に活用し、各選手の状態を確かめる。

大会初戦のドイツ戦は1週間後の23日。「大きなテーマとしては、W杯を総力戦で戦うために、全体のコンディションを上げるところ」と、状態が不透明な選手を見極める。一方で、ベストメンバーで最終確認をする本来の目的からは狂いが生じた。

カナダ戦の戦術については「隠しても自分たちができなくなるので」と、ドイツが見ることも覚悟で公開するつもり。W杯をベストな状態で迎えられるか、重要な戦いとなる。【岡崎悠利】