ポルトガルのスーパースター、FWクリスティアノ・ロナウド(37)が金字塔を打ち立てた。今大会初戦となったガーナ戦の後半20分にPKを落ち着いて決め、W杯史上初の5大会連続得点をマークした。通算18試合で8得点目。エースの先制点で勢いづいたポルトガルは、その後に1度は追い付かれたものの得点を重ね、3-2で白星発進とした。

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自ら得たPKをセットする直前に、ロナウドはボールにそっと口づけした。後半20分、軽く助走をつけて右足を振り抜くと、ボールはキーパーの手をかすめてゴール左に突き刺さった。史上初となる5大会連続ゴール。いつものように大きく跳びはねて喜びを表現したロナウドに、チームメートが祝福の輪を作った。

この先制点で重苦しい空気が振り払われた。ほどなくして追い付かれたポルトガルだが、後半33分にすかさず勝ち越すと、その2分後にも追加点。3点目は味方につないだロナウドが起点となり、ボールとは反対側に走って相手守備陣の警戒を引きつけた。派手なパフォーマンスのみならず、献身的な働きぶりでも勝利に貢献した。

ロナウドは「勝つことが重要だった。いい出だしになった」と納得顔。サントス監督は「50年後にも語り継がれる選手だ」とたたえた。

今季は所属先だったマンチェスター・ユナイテッドで出番が激減し、クラブへの不満を募らせ、メディアを使って公然と批判。世間の耳目を集める中、22日には相互合意のもとでの契約解除。今大会を「無所属」で臨んでいる。英メディアはサウジアラビアのアルヒラルが獲得を検討と報じるなど、話題は尽きない。

この日はロスタイムにイエローカードが飛び交う展開で、ロナウドも怒りをあらわにした。伏線としてガーナのFWブカリが得点した際、ジャンプした後に両手を広げて着地するポーズを披露。失点した上に自身のパフォーマンスまでまねされたことにいらだち、最後に不快感を爆発させた。

ピッチ内外で一挙手一投足に注目が注がれるスーパースター。37歳となってもロナウドは、世界の中心で、W杯への愛を叫ぶ。