レアル・ソシエダードは13日のマンチェスター・ユナイテッド戦に敗れ、欧州リーグ敗退が決定したが、この試合のレフェリングは物議を醸し、Rソシエダード陣営にとっては怒りに満ち溢れるものとなった。
スペイン紙マルカは「2つの存在しないPK」とマンチェスター・ユナイテッド贔屓の笛を指摘し、アルグアシル監督も「PKをでっち上げられた」と怒り心頭。オヤルサバルやエルストンドといったチームの重鎮も口を揃えて激しく非難した。
しかし何を訴えようとも結果が変わることはない。イギリスで受けた精神的ダメージを引きずらず、シーズン開幕時に掲げた6季連続の欧州カップ戦出場権獲得という目標に向け、残された2大会に全力を注ぐのみだ。
では実際に、Rソシエダードが目標を達成するためにどのようなオプションがあるのか?
■国王杯優勝なら欧州リーグ出場
まず目指すべきは、5季ぶりの国王杯制覇を成し遂げることだ。優勝した場合は無条件で欧州リーグ出場権を獲得できるが、その道のりはとても険しい。まず来月1日にアウェーでの準決勝第2戦でレアル・マドリードに勝利し(※ホームの第1戦は0-1の敗北)、さらに同月26日の決勝でバルセロナかアトレチコ・マドリードに勝たなければならない。今のチーム状態を考えると非常に厳しいミッションと言える(※Rソシエダード以外の3チームは来季の欧州チャンピオンズリーグ出場権獲得はほぼ確実のため、国王杯優勝で欧州リーグ出場権が与えられるのはRソシエダードのみ)。
国王杯優勝を逃した場合、スペインリーグで上位に食い込むという正攻法で目標達成を目指すことになる。
Rソシエダードは残り10節で勝ち点35の12位と厳しい状況だが、来季は欧州カップ戦の出場枠が1つ増える可能性が高い。その理由はスペインが今季のUEFAカントリーランキング(欧州カップ戦に参加している各チームの成績でポイントを算出)で2位につけているため。ヨーロッパの各大会で勝ち残っているレアル・マドリード、バルセロナ、ビルバオ、ベティスの頑張り次第でこのポイントはさらに増え、最終的に2位以内で終えた場合、来季の欧州チャンピオンズリーグ出場枠が5枠になる。
その条件を踏まえた場合、来季はスペインからリーグ戦の上位5チームが欧州チャンピオンズリーグ、6位と7位が欧州リーグ、8位が欧州カンファレンスリーグに出場することになる。その他、ビルバオが欧州リーグ、ベティスが欧州カンファレンスリーグに優勝した場合、スペインから来季、最大10チームが参加できる可能性もあるが、この2チームの最終的なリーグ戦の順位に左右され、不確定要素は非常に強い。
■CL枠増えることで7位狙いへ
欧州カップ戦出場権を争うライバルたちの第28節終了時の順位を見てみると、4位ビルバオが勝ち点52、5位ビリャレアル(※1試合未消化)と6位ベティスが勝ち点44と、12位Rソシエダード(勝ち点35)との勝ち点差は9以上開いている。残り10節しかないことを考えると、この3チームを上回るのは非常に難しい。
そのため、来季の欧州チャンピオンズリーグ出場枠が増えることを期待しつつ、7位で欧州リーグに再び参加することが現実的なオプションと言える。しかし、この順位を狙うチームは非常に多い。
7位マジョルカは勝ち点40、8位セルタは勝ち点39、9位ラヨ・バリェカノは勝ち点37、10位セビリアと11位ヘタフェは勝ち点36。そして、13位ジローナは勝ち点34、14位オサスナ(※1試合未消化)は勝ち点33と、勝ち点8の間に8チームがひしめき合う状態だ。
この熾烈な競争を勝ち抜く必要がある中、Rソシエダードにとってプラスに働く点を挙げれば、欧州リーグ敗退で過密日程から解放されることだろう。昨季は欧州チャンピオンズリーグ敗退後に調子を取り戻し、見事に欧州リーグ出場権を獲得していた。
現地では久保の残留を強く望む記者が「タケを引き止めるためには来季の欧州カップ戦出場は必須だ」と語るように、久保が来季もRソシエダードでプレーするために、欧州カップ戦出場権獲得は必要不可欠なものと考えられている。久保とRソシエダードの今季も残りあと2カ月となったが、最終的に笑顔で終われることを期待したい。
【高橋智行】(ニッカンスポーツコム/サッカーコラム「スペイン発サッカー紀行」)



