スタジアムで愚行を働いたケルンのファンに、高額の罰金が科せられることになった。


大衆紙ビルトによると、26日にケルン裁判所へ出廷した30歳の男性が、ホッフェンハイムに多額の資金援助をするパトロン、ディートマー・ホップ氏を侮辱した罪に問われ、4800ユーロ(約62万4000円)の支払いを命じられたという。


被告人は2017年4月に行われたケルン-ホッフェンハイム戦で、「ディートマー、明日マリティム・ホテルに行けよ。お前の親父も誇りに思うはずだ」という横断幕を掲げた。ビルト紙によると、これは反EUと移民排斥を目指す右派政党AfD(ドイツのための選択肢)が当時、ケルン市内のマリティム・ホテルで党大会を行っており、ホップ氏を無理やりAfDと結びつけたもの。これでも飽き足らなかった被告人はさらに、過激な服装をした女性が手に1枚の紙を持っているカリカチュアを高々と掲揚。絵の女性が持つその紙には、


<出生証明書>

名前:ディートマー・ホップ

誕生日:1940年4月20日

母親:売春婦

父親:ナチ


との文字が記されていた。


怒り心頭のホップ氏は試合後に被害届を提出し、それが検察に受理され今回の裁判になったという。


ケルンのファンだけでなく、これまでにはドルトムントのファンもホッフェンハイム戦の際に同氏を攻撃するバナーを掲げたことがあり、バイエルン・ミュンヘンのウリ・ヘーネス会長とカール・ハインツ・ルンメニゲ社長は先日、「あのような恥ずべき横断幕、ホップ氏を揶揄する歌に対し、Bミュンヘンを代表して厳しく非難したい。ホップ氏は数え切れないほどの慈善活動を行い、貧困にあえぐ人々を打算抜きに助けてきた。そしてあの地域における育成年代のサッカーやその他スポーツにも多額の援助をしている。彼のような人物がサッカー界から退いてしまったら、深刻な事態となってしまうだろう」と、いわれのない中傷にさらされたホップ氏を全面的に擁護している。