今シーズン途中にヘルタを率いることになったユルゲン・クリンスマン監督の決断が、少なからず損失を生むことになるかもしれない。

もともとヘルタは、クリスマス休暇後の新年始動日を1月2日に設定していたが、大衆紙「ビルト」によると、新指揮官の意向で12月29日に前倒しされたという。当然ながら、選手やスタッフの中にはバケーションの予定を立て、すでにホテルや航空券を手配済みの者もいる。ところがどうやら、それらのキャンセル料を自腹で負担させる方針でもあるようだ。

この件についてビルト紙は、労働法に詳しい専門弁護士トーマス・ベットヒャー氏にコメントを求め、「前もって1月2日が勤務開始日と示されていたのならば、それぞれの内情は弁護士にチェックされるべき。被雇用者たちが、クラブの出した情報を信頼してバケーションの予約を入れたのであれば、私の見立てでは、キャンセル料の補償を(クラブに)要求する権利が被雇用者にはあると思う」という回答をもらっている。

さらにクリンスマン監督は、1月2日から11日まで予定されていた米国ツアーをキャンセルし、スペイン合宿に変更するつもりだという。だが、そもそもこの米国遠征は、ブンデスリーガを運営するDFLがクラブとタッグを組んで行うマーケティング活動の一環。したがってヘルタがこれを固辞する場合、DFLから同クラブに送られる予定だった6桁の援助金(日本円換算で1000万円の桁)も消滅してしまう。

ヘルタの米国遠征にあわせてすでにフロリダ行きのチケットを購入したファンもいるようで、「クリンスマンの決断により、クラブだけでなく、クラブに雇用されている人、そしてファンも、大金を失ってしまいそうだ」と、ビルト紙は記している。