【ミラノ(イタリア)13日(日本時間14日=波平千種通信員)】W杯欧州予選プレーオフ第2戦でイタリアはスウェーデンと0-0の引き分け、2戦合計0-1で15大会連続19度目の出場を逃した。圧倒的に攻めながら、ゴール前を固めた相手から得点を奪えなかった。試合後には代表歴20年で39歳のGKブフォンら、06年W杯優勝メンバーが次々と代表引退を表明。「カルチョの国」が涙に暮れた。スウェーデンは3大会ぶり12度目の出場権を獲得した。

 

 1958年スウェーデン大会以来60年ぶりにW杯出場を逃し、7万2696人の観衆だけでなくイタリア全土が泣いた。「アズーリ軍団」はゴールを求めて攻め続けた。後半ロスタイムのCKではGKブフォンもゴール前に上がってチャンスを狙った。ボール保持率75%、シュート26本。でも、黄色の壁は崩せなかった。ベントゥラ監督は「国民に申し訳ないとしか言えない」と声を絞り出した。

 9月の予選G組の首位攻防戦でスペインに0-3と敗れ、一気にムードが暗転した。この日の後半に守備的MFデロッシがウオーミングアップを命じられると「なぜ僕? 引き分けじゃなく、勝たねばならないんだ!」とFWインシーニェを指した。結局、どちらも投入されず、重い空気は最後まで変わらなかった。

 試合後、ブフォンは「代表を夢見る子供たちを泣かせないようにしたかった。それができずに謝りたい」と号泣。「(後輩GK)ドンナルンマ、ペリン、その他の選手に託す」と引退を表明し、デロッシ、DFバルザーリ、DFキエリーニも続いた。この日の先発は30代が6人、最年少はFWガッビアディーニの25歳。W杯では06年優勝も10年と14年は1次リーグ敗退。ここまで“06年組の遺産”で戦ってきたともいえる。一方でかつてのバッジョ、デルピエロのような絶対的エースもいなかった。

 失意の中、ブフォンはイタリア代表について「未来はある。我々は力を持っている」。後輩の再起を信じて、1つの時代に幕を下ろした。