バイエルン・ミュンヘンが、新型コロナワクチンを接種していないキミッヒ、ニャブリ、ムシアラ、チュポモティング、キュイザンスの給与を一部減額したと、英デーリーメール電子版がドイツ国内の情報をもとに報じた。

バイエルンは先週、5人に対し「ワクチンを接種していないために試合や練習を休んだ選手は給与を減額する」と伝えていた。その後、19日にアウクスブルクと対戦。1-2でまさかの敗戦を喫した。ウイルス感染者の濃厚接触者として隔離されていたキミッヒは試合を欠場。出場したニャブリ、ムシアラ、チュポモティングと出番がなかったキュイザンスの4人も試合後、濃厚接触者に認定され隔離生活に入った。クラブはチーム力低下を懸念し、ワクチン接種をうながす意味合いも込めて5人の給与減額を決定したもようだ。

ドイツでは新型コロナウイルスが再び猛威をふるっている。2度のワクチン接種を完了している国民は全体の68%。これは西ヨーロッパでは最も低い数字だという。スパーン保健相も「冬の終わりまでにワクチンを接種するか、コロナから回復するか、死ぬか、そのどれかだ」と警告しており、Bミュンヘンもワクチン接種に関して神経質になっている。

5人はこれまでも、試合前に宿泊するホテルをワクチン接種者とは別のホテルにするようにクラブから指示され、移動も別々にさせられてきた。加えて給与減額がメディアに報じられたことでいら立ちを隠せないでいるという。このような状況がクラブ内のあつれきを生んでおり、一部の選手は給与減額に対して法的手段も検討しているもよう。

キミッヒはワクチンを接種しない理由について「(副反応などについて)長い時間をかけた研究がなされていない」と説明。「自分の責任については認識しているが、僕はすべての衛生ルールを順守し、2~3日おきに検査も受けている。すべての人が自分自身で(ワクチン接種について)決断できるようになるべきだ」と話しているという。