元バルセロナ下部組織のコーディネーターで、今年1月まで日本のJ1ヴィッセル神戸でアカデミーアドバイザーを務めたアルベルト・ベナイジェス氏が、過去に性的虐待を行った疑いでカタルーニャ州警察に捜査されていると、スペイン紙ムンド・デポルティボ電子版が11日に報じた。

警察情報筋によると、ベナイジェス氏に未成年の時に性的虐待を受けたと主張する複数の訴えがあり、捜査が開始されたという。

またバルセロナの地元紙アラの調査によると、ベナイジェス氏はバルセロナのラス・コルツ地区の小学校で38年間、体育教師として勤務していたが、1980年代から1990年代にかけて性的虐待を受けたという証言が約60件あるという。

バルセロナのシャビ監督は11日にオサスナ戦の前日会見に出席。この件を問われると「デリケートで難しい問題だ。彼のことが大好きだし、スタッフともその件について話した。我々は彼に本当によくしてもらったし、我々に素晴らしい遺産を残してくれた人物なので驚いている。ただ、これについては裁判所が決定することで、私には言及するための情報が何もない。彼はバルサで私の監督だったので驚きとショックを受けているが、これ以上、何も言うことができない」と話した。

ベナイジェス氏はバルセロナの下部組織で1991年から約20年間、監督やテクニカルディレクターを務め、神戸の元スペイン代表MFイニエスタを少年時代に見いだした人物として知られている。

同氏はその後、UAE、メキシコ、ドミニカ共和国のクラブで働き、イニエスタの誘いで18年6月から今年1月までの約2年半、神戸でアカデミーアドバイザーの役職に就いた。今年4月、約9年ぶりにバルセロナへ戻り下部組織のコーディネーターを務めていたが、今月上旬に辞任していた。(高橋智行通信員)