28日(日本時間29日)に欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝を迎えるレアル・マドリードのカルロ・アンチェロッティ監督(62)が、相手のリバプールについて「縦に速い、激しい試合をしてくるだろう」と予想した。

27日の前日会見に出席した同監督は、決勝の展望について「我々は明日、シーズンを通じて示してきた自分たちの高いクオリティーを発揮する必要がある。我々にはチームへの献身性があるし、個々のクオリティーも高い。途中出場で違いを生み出すことができる選手たちもいる。リバプールは縦に速い激しい試合をしてくるだろう。自分たちの良さをより発揮したチームが試合に勝つはずだ」と話した。

ここにきてベンゼマが絶好調。バロンドールの最右翼の1人とも言われている。アンチェロッティ監督は「今はピッチ内外でよりリーダーシップを発揮しているが、謙虚さやその能力は以前と変わっていない」とたたえた。

アンチェロッティ監督は昨季までリバプールのライバル、エバートンの指揮官を務めた。「エバートンサポーターたちは明日、我々を応援してくれるはずだ。私が(エバートンのホームでもある)リバプールで過ごした時間は良い思い出だ」と感慨深げに語った。

またRマドリードが興味を持っていると報じられているリバプールFWマネについては「私が他のチームの選手について話すことはないが、マネは素晴らしい選手だと言うことができる」と言及した。

今季スペインリーグで優勝し、監督として初めて欧州5大リーグ(スペイン、イングランド、イタリア、ドイツ、フランス)を制したアンチェロッティ監督は、欧州CLでも前人未到の記録に挑む。CL史上、監督として最多となる5度目の決勝に臨み、指揮官として最多4度目の優勝を目指す。

ただ、アンチェロッティ監督が欧州CL決勝で敗れた唯一の相手がリバプール。ACミランを率いて臨んだ04-05年決勝で、前半3-0とリードしながら後半に追いつかれ、PK戦の末に敗れた。この試合はリバプールファンには「イスタンブールの奇跡」として語り継がれ、ACミランファンには「イスタンブールの悲劇」と呼ばれている。(高橋智行通信員)