サッカーの日本代表として活躍したMF本田圭佑(36)が実質的な監督を務めるU-23(23歳以下)カンボジア代表が、同国の首都プノンペンで同世代の日本代表と国際親善試合を行い、1-3で敗れた。

選手として3度のワールドカップ(W杯)を経験し、国際Aマッチ98試合で日の丸を背負い37得点を挙げるなど、日本代表の象徴でもあった本田はカンボジアを率いて初めて日本と戦った。

W杯ロシア大会後の18年8月に、同国のA代表と五輪世代を実質的に指揮する、代表チームのゼネラルマネジャー(GM)に就任。最新のFIFAランキング174位(日本は24位)でW杯出場経験もない国の顔として、五輪世代も含めた代表強化を任されている。

相手の日本は、韓国に遠征していた全日本大学選抜を急きょU-23として、日本代表に仕立てた異例の編成だった。ただ、実力者ぞろい。招集された23人の過半数、川崎F入りする山田新(桐蔭横浜大4年)や柏内定の落合陸落(東京国際大4年)の両FWら、実に14人ものJリーグ内定者を擁する豪華メンバーだった。

過去に本田は、W杯ロシア大会のアジア2次予選で日本代表としてカンボジア代表と2度対戦している。日本がホームで3-0、アウェーでは2-0で勝ち、本田は2戦とも得点を挙げた。この対戦を契機にカンボジアにつながりを持ち、初めて敵将として、日本を迎えた。

16日には、日本サッカー協会の反町康治技術委員長が「圭佑が監督をやっていたり、縁のある国」と話した。反町氏はこの遠征に同行はしていないが、本田とは、2008年北京五輪の日本代表で監督と主力の間柄。今回と同じ五輪世代のチームで、長くともに戦っていた。

本田カンボジアと日本は、もう1試合、23日に非公開で練習試合を行う予定となっている。

◆日本-カンボジア 前回は21年10月26日に、U-23アジア杯の予選で同組となり、公式戦で顔を合わせた。集中開催地の福島・Jヴィレッジで、ともに22歳以下の代表チームで対戦。コロナ禍で無観客試合。日本が松木玖生、甲田英将、細谷真大、中村仁郎の得点で4-0で快勝した。日本には内田篤人、川口能活の両コーチがいたが、本田圭佑は当時プレーしていたスドゥバ(リトアニア)のリーグ期間中で合流できず不在だった。