W杯カタール大会日本代表MF伊東純也(29)が先発したSランスは、敵地でスター軍団のパリ・サンジェルマンに土壇場で追いつき、12戦負けなしと勝負強さを発揮した。

伊東はカウンターの起点として脅威を与え続け、後半14分に相手のレッドカードを誘発。英メディア「ユーロスポーツ」の採点では、両チーム最高得点タイの「8」をマークした。仏移籍後、初めてのパリSG戦で、武器のスピードが世界に通用することを証明した。

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伊東のスピードが、スター軍団を翻弄(ほんろう)した。相手はW杯カタール大会後、初めてアルゼンチン代表FWメッシ、フランス代表FWエムバペ、ブラジル代表FWネイマールがそろって先発。だが、W杯でドイツ、スペインの強豪に勝利した伊東は、ひるむことはなかった。

前半15分、相手DFセルヒオ・ラモスの前に入り込み右足ボレーシュート。前半25分には、縦突破すると、相手DFマルキーニョスが、手で止めざるえなくなり、イエローカード。圧巻は後半14分だった。右サイドでDFベルナトをかわし縦突破。前線へパスを出す際、相手MFベッラッティの足裏タックルを浴びた。VAR(ビデオ・アシスタントレフェリー)判定の末、ベッラッティはレッドカードで一発退場となった。数的優位に貢献した伊東は後半38分にベンチに下がったが、チームは後半ロスタイムにFWバログンの劇的な同点弾で敵地で勝ち点1を手にした。

英メディア「ユーロスポーツ」では、伊東は同点弾のバログンとともに最高評価の「8」。メッシの「6」、ネイマールの「7」、エムバペの「7」を上回った。Sランスの指揮官は昨年10月に就任した30歳のスティル監督。就任後は無敗で、リーグ戦12試合負けなしだ。「我々はここでプレーすることを恐れず、コンプレックスもなかった。踏ん張り、希望を持ち続け、最後に報われた」とスティル監督。伊東は昨年10月のホームでのパリSG戦は欠場。初めてのスター軍団との対戦で、武器のスピードが通用することを証明した。23年も稲妻の勢いは止まりそうにない。