スペイン紙アスが30日、「久保、複雑な帰還」と見出しを付け、MF久保建英(21)に関するレアル・マドリードとレアル・ソシエダードとの間で交わされている込み入った契約内容について改めて言及した。

久保の契約内容についてはこれまでさまざまなメディアで報じられているが、同紙によるとRマドリードは買い戻しオプションを持っておらず、先買権を保有しているとのことだ。これはRソシエダードが将来、他クラブから久保に対するオファーを受けた場合、Rマドリードがその提示額と同じ金額で優先的に買い戻すことができるというものである。

さらにRマドリードはRソシエダードが将来、久保を他クラブに売却した場合、キャピタルゲイン(購入価格と売却価格の差による収益)の50%を受け取る権利も保有しているという。

例えばRソシエダードが今後、久保を2000万ユーロ(約28億円)で他クラブに売却した場合、Rマドリードに移籍金として支払った600万ユーロ(約8億4000万円)を差し引いた1400万ユーロ(約19億6000万円)がキャピタルゲインとなる。そのためRマドリードはその50%の700万ユーロ(約9億8000万円)を手にする。

しかしこの金額には条件があり、もし売却額が600万ユーロ(約8億4000万円)に達しなかった場合、その全額がRソシエダードのものになると同紙は伝えている。

Rマドリードは買い戻しオプションを保有していないため、久保を今後、Rソシエダードとの契約が残る27年6月30日前までに連れ戻したいと考えた場合、Rソシエダードとの直接交渉が必要になるとのこと。さらに久保の契約解除金は6000万ユーロ(約84億円)と高額に設定されている。

しかし同紙は、両クラブの関係が非常に良好であるため、もしRマドリードが希望すれば、久保の復帰は比較的容易に実現されると推測している。(高橋智行通信員)