米メジャーリーグサッカーのLAギャラクシーと契約したDF吉田麻也(34)が8日(日本時間9日早朝)、カリフォルニア州カーソンにある本拠地ディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークで入団会見を行った。
同クラブと18カ月の契約を結び、背番号4のユニホームに袖を通した吉田は、日本代表復帰へ意欲を示し、来年1~2月に開催されるアジア杯出場も希望した。さらに米国、カナダ、メキシコで共催される26年ワールドカップ(W杯)への思いも語った。
以下、会見での主な一問一答。前半は流ちょうな英語で話し、後半は日本語で日本メディアに対応した。
(英語で)
-ギャラクシーが獲得に興味を持っていると聞いた時に思ったことは?
吉田 7月中旬だったと思う。自分は日本にいた。そこから交渉が始まった。お金は問題じゃなくて、チームのプロジェクトを確かめたかった。自分にとって正しい選択なのか。自分の年齢で欧州を離れれば、戻るのは難しいわけだから。クラブと話をしてみて、新たなチャレンジができる場所だと感じたので決断した。
-決断する時間を短くさせた要因は?
吉田 自分の年齢になると欧州で良い契約を結ぶのは難しい。長い時間、待つことになる。僕はあまり長く待ちたくなかった。コンディション面で(新天地に)適応するのが難しくなるから。だからここに来て、施設やスタジアムを見せてもらったし、スタッフはとてもきちんと対応してくれて、本当に感謝している。正直言って僕が最近所属した2チームと比べると、このチームは全然良い。プレミアリーグのクラブ並みでとても驚いた。
-グレッグ・バニー監督と話をして
吉田 ここはビッグクラブで、スタジアムもビッグでファンも多く、街も大きい。より大きなクラブになれる可能性を秘めていると思う。でも今季はあまり良い成績を残せていない(西カンファレンス14チーム中13位)。だからできるだけ早く調子を取り戻し、プレーオフに出られるようにしなければ。それが今季の目標。来季はさらに野心的にならないといけない。
-バニー監督はポゼッションを好む監督だが
吉田 僕も好きだ。正直言って、ポゼッションサッカーはドイツ人のメンタリティーとはまったく相いれないものだ。でも自分はそういうサッカーの方が好みだ。別にドイツサッカーを批判しているわけじゃないけど、(ポゼッションサッカーの方が)もっとサッカーだと思う(ここまで吉田はfootballという英語を使い続けていたが、米国ではsoccerというため、サッカーと言い直した)。それが自分のスタイルで、日本代表やイタリア、プレミアリーグでもそうだった。だからこのチームがそういうサッカーでハッピーだ。
-MLSのことをどれくらい知っている?
吉田 アメリカのことは正直言ってあまり知らない。サッカーだけじゃなくて全体的に。大きな国で、車も道も家もすべて大きい。この年齢になって自分は欧州で多くのことを成し遂げてきた。代表チームでも。だから何か新たに情熱を燃やせることが必要だった。ここは情熱を燃やせる場所だと思う。それが自分が決断する上で重要なことだった。
-DF陣は若く、君にはメンターのような役割も求められると思うが
吉田 ここは若いチームで、自分には経験がある。そこがクラブが求めている部分でもある。監督もそう話していた。自分はそういう役割を担うのは好きだし、他のクラブでも代表でもそうしてきた。そういう責任を背負うことができてうれしい。でも第一に自分が良いプレーをする必要がある。そうしなければ誰も認めてくれないから。だから8月20日の試合(後半戦初戦のソルトレーク戦)でデビューできるように、その試合で良いパフォーマンスを見せられるように準備したい。
(ここから日本語)
-日本代表にもう1度入るという思いは
吉田 可能性は十分にあると思いますし、ヨーロッパで待つ時間が長くなればなるほど(自分のコンディションが落ちる)リスクも高くなる。例えば長友選手、川島選手、岡崎選手とかが過去に長い間待っているのを見て、かなり苦労するなというのを見ていたので、なるべく決められればいいなと思ったところにこのオファーが舞い込んで。アジア杯に行くためには、このチームでプレーオフに行かないと。アジア杯までかなりの期間が空いてしまうので。チームの目標もそうですけど、自分の目標としても、やっぱりプレーオフに行って、試合数をこなして良い状態で(代表に)選ばれるようなパフォーマンスをして、1月に向けて頑張っていきたいと思ってます。
-このクラブの印象は?
吉田 施設はもう素晴らしいの一言ですね、チームの僕や家族に対するサポートも素晴らしいものがあって、正直ちょっとびっくりしてるぐらいで。過去の2チームはなかなかそういうのがなかったんで。イギリスのチームのようにオーガナイズがしっかりしてて、すごく感銘を受けました。
-ロサンゼルスでやるという決断の理由は
吉田 やっぱり誰もやったことのないところでチャレンジするっていうのが、自分のキャリアの中での指針の1つなので。日本からオランダに行くときも、オランダからイギリスに行くときも、日本人のセンターバックは成功しないと言われてきましたけど、自分の中でそこにチャレンジすることが意義があると思ってやってきましたし。誰もやったことのないことに対して、自分が道を開くっていうのは1つのモチベーションなので、まずアメリカでもそういう道を開ければいいなと思ってます。
-ロスには日本人のファンも多いが
吉田 ひとつ驚いてるのは、ヨーロッパにいてロンドンとかデュッセルドルフを見てきて、デュッセルドルフより日本人が住みやすい海外ってないだろうと思ってたんですけど。ここに来て、デュッセルドルフ以上に住みやすくてすごく驚いて。特にスーパーとか選択肢が増え、多すぎてちょっと驚いてますけど。多くの日本人の皆さんにスタジアムに足を運んでいただきたいですし、いろんな企業ともコラボレートできたらいいなと思いますし、何より自分が良いパフォーマンスをして、日本人の方たちに誇りに思ってもらえるような活躍をしたいですし、みんなを元気づけられるような活躍ができたら。例えば大谷選手だったり八村選手というのはそういう存在であることは間違いないですし、自分もそういう存在になれるようにパフォーマンスで日本を盛り上げていけたらなと思います。
-大谷翔平らに刺激を受ける?
吉田 違う分野のアスリートからはいつも刺激をもらってますし、彼らとは面識はないですけど、面識のあるアスリートとはいつも刺激し合ってやってるつもりですし。特に今年はバスケットも、ラグビーもワールドカップがありますし、女子も今ワールドカップやってますし、僕自身も負けないように頑張りたいなと思ってます。
-なでしこジャパンへのメッセージは?
吉田 僕はベスト8以上行ったことがないので、ここからのアドバイスをどうしたらいいのかわからないですけど。間違いなく疲労は来てるし、疲労が来てるのと同時に、団結力も強くなってると思うんで。ここからは総合力だと思うので、出てない選手が活躍する、途中で出てくる選手が何か結果を出すっていうのが一番チームに勢いをもたらすきっかけになると思うんで。今までチャンスがなかった選手も必ずチャンスが来るんで、全員がいい準備をして結果を残すということが、チームを助けると思いますし。ここからが本当に今まで出てなかった選手の勝負どころじゃないかなと思います。
-26年W杯への思いは
吉田 契約自体は18カ月なんですけど、18カ月で終えるつもりはないですし、自分のコンディション、そして結果で次の契約を勝ち取っていきたいともちろん思っているので。その先にW杯も見えてくると思いますし。たださっき言ったように直近の目標はプレーオフに出て、シーズンを通して良いパフォーマンスをしてアジア杯(のメンバー)に入ることなんで。もちろん長期のプロセスとしては(W杯を)視野に入れてますけど、この年になると1年1年勝負だと思ってますし、そこを意識して今はプレーしています。
-アメリカに来て
吉田 僕は常々やっぱりサッカーもそうだけど、自分の人生がどうやって豊かになっていくかっていうのを意識して決断をしてるつもりなので。この選択っていうのは、自分のこれからの人生にとっていろんな幅を持たらしてくれるんじゃないかなと感じてます。
-アメリカのサッカーの印象は?
吉田 ワールドカップに向けてかなりの投資をリーグもしてると思うので。メッシたちが来てるし、ここにはチチャリートとかドウグラス・コスタとか有名な選手もいるし。そういう意味ではこれからどんどん人も集まるだろうし、リーグも盛り上がっていくだろうし、かなり期待できるんじゃないかなと思う。だからこそここを選択したってのがひとつあるので、自分がしっかりとアジャストできるようにしていきたいなと思います。

