中国サッカー協会が、日本代表アルベルト・ザッケローニ監督(61)を中国代表の監督候補としてリストアップしていることが5日、明らかになった。中国代表は今年に入り、フランス1部リヨンの元監督のペラン氏(57)が監督を務めているが、日本を躍進させた指揮官に目を付けた。

 ザッケローニ監督が日本を指揮した4年間で、11年アジア杯と13年東アジア杯に優勝。13年のコンフェデ杯は3戦全敗も、イタリアとの激戦は世界を驚かせた。日本協会関係者は「中国協会は、攻撃的なサッカーを日本代表に植え付けた指導力に着目しているようだ」と話す。

 中国代表はペラン氏が監督に就任したばかりだが、中国協会は現在の日本代表の首脳陣を形成するイタリア人の「ザック・ファミリー」を迎える準備があるという。W杯は02年日韓大会以来、出場なし。14年ブラジル大会のアジア予選では最終予選にも進めず、危機感を抱えている。

 ザッケローニ監督は一時期、W杯ブラジル大会後のイタリア代表候補にも浮上。プランデリ監督が続投することになり、母国の代表監督に就任する可能性は消えたが、日本代表を率いてW杯で結果を残せば、さらに多くの国や欧州クラブから関心を示されるはずだ。

 基本的には、W杯ブラジル大会後に日本代表監督を退任する。「日本サッカー界に何らかの遺産を残したい」と話し、強い信念を持つイタリア人指揮官。その後の進路にも注目が集まる。