[ 2014年2月11日8時42分

 紙面から ]公式練習でモロゾフ・コーチ(右)と話す高橋(撮影・井上学)

 フィギュアスケートの高橋大輔(27=関大大学院)が「プルシェンコ流」で本番一発で決める。10日、五輪会場で初練習を行った。4回転ジャンプは3度トライしてすべて失敗。それでも「ずっとできてない。でもあと2日で焦っても無理。できるときはできる。跳べる気配がなくても本番で跳べる時もある」と意に介さなかった。

 前夜、団体の男子フリーでプルシェンコ(ロシア)の演技に心を動かされた。両膝、腰の手術を乗り越えて4度目の五輪にたどりついた「皇帝」の姿に「感動してしまった。心から滑っているなと感じた。技術を超えたものを出し切っていた」。右膝手術を経験した自身を重ね合わせ、「見て良かった。僕も最後まで心からやり切れたらいい」と気持ちを新たにした。

 ソチ入りした前日9日は、SP曲「ヴァイオリンのためのソナチネ」をめぐる「佐村河内騒動」を笑い飛ばした。昨年11月の右脛骨(けいこつ)負傷の影響には「痛みとかはない。体の調子はいい。スケートの調子は分かんない」と笑った。男子SPは13日。「今、自分にできる精いっぱいをぶつける。すがすがしくできるように」。もう、じたばたしない。集大成として臨む3度目の五輪で、4回転トーループに成功して、理想の作品を完成させる。【益田一弘】