男子ハンマー投げはパヴェル・ファジェク(26=ポーランド)が79メートル90で、ロンドン五輪金メダルのクリスチャン・パルシュ(33=ハンガリー)に2メートル09の大差をつけて快勝。3月からの連勝記録を“7”に伸ばした。

 ファジェクは185センチで97キロと、ハンマー投げ選手としては体格に恵まれているわけではない。アテネ五輪金メダル時の室伏広治(40=ミズノ)は187センチ・96キロ(現在は107キロ)。回転スピードは当時の室伏の方が明らかに速いが、体格とパワーよりも技術で勝負するタイプという点は共通している。

 3年前に初めて80メートルを超えたファジェクだが、その年のロンドン五輪は3回連続ファウルの記録なし。その屈辱をステップに翌2013年のモスクワ世界陸上で金メダルを獲得。8月の北京世界陸上では2連覇が有力視されている。

 男子やり投げはイハブ・アブデルラーマン(26=エジプト)が85メートル44で優勝。7日のダイヤモンドリーグ・バーミンガム大会で91メートル39の今季世界最高を投げているジュリアス・イエゴ(26=ケニア)は、83メートル99の2位と振るわなかった。

 五輪&世界陸上種目ではないが女子3000メートルで、アルマズ・アヤナ(23=エチオピア)が8分22秒22の今季世界最高で圧勝した。

 ◆今季の男子ハンマー投げ ファジェクが82メートル76の今季世界最高をはじめ、80メートル以上を3試合でマーク。他の選手たちは低調で、80メートルを超えている選手はファジェク以外はいない。昨年のアジア大会金メダルのディルショド・ナザロフ(33=タジキスタン)が79メートル36でリスト2位、パルシュが79メートル24で3位に付けている。

 ファジェクの独走状態になっているシーズンだが、五輪や世界陸上本番で一気に記録を上げてくる選手もいる。83メートル以上の力を付けないと、安全圏に入れない。

 日本では保坂雄志郎(筑波大大学院)の70メートル46が今季日本最高で、70メートルを投げているのは現時点では1人だけ。室伏は6月27日の日本選手権が今季初戦。76メートル00の世界陸上標準記録を投げれば代表入りできる。