女子で札幌日大が長距離部門創設3年目で初優勝した。3区まで首位を守るも、第4中継所目前で逆転を許し、2位に後退。最終5区狩野早耶(2年)の追い上げで再び先頭に立ち、旭川龍谷に11秒差をつけてゴールテープを切った。初の頂点に立ったメンバーは雨でぬれた頬に歓喜の涙を流した。狩野は「あまり実感が湧かなかったけど、みんなが駆け寄ってきて優勝したんだなと思った」と勝利の余韻に浸った。

 名将を信じて走り続けた。13年4月、北海道大谷室蘭を男子15度、女子21度の全道優勝に導いた工藤裕行監督(66)が赴任し、女子の長距離部門が誕生。指導を受けるために慕って入学した1期生が現3年生だ。2区を走った徳谷萌々子主将(3年)は「今まで何人も選手を育ててきた監督の言う通りに練習すれば間違いない」と信頼を寄せる。 練習ではペースメーカーとなる選手が日々代わる「日替わりリーダー制」で切磋琢磨(せっさたくま)させるなど工夫をこらす手腕で、2年前には前任校から男女14人が転校してまで師事を仰いだ。指揮官も「力がどんどんついてきて、3年目でやっと」と感無量の様子だった。

 全国大会(12月20日、京都)は2年ぶり2度目の出場となる。初出場時は記念大会により2位で権利を得たが、今回は北海道女王として挑むだけに、勝負にこだわる。殊勲のアンカー狩野は「絶対に(8位)入賞したい」と高く目標を掲げる。自信を胸に都大路を駆け抜ける。【保坂果那】