日本学生個人選手権第2日は10日、ShonanBMWスタジアム平塚で行われ、男子100メートル準決勝で多田修平(関学大)が追い風4・5メートルの参考記録ながら9秒94をマークし、決勝に進出した。

 多田は「風に押されていい感じで加速できた。ビックリしました。まさかあんなに走っているとは思わなかったです」と笑顔で振り返った。

 追い風2・0メートルを超える参考記録とはいえ、100分の1秒までを表示する電気計時での9秒台計測は15年3月、桐生の9秒87(追い風3・3メートル)、同5・1メートルのケンブリッジ9秒98の以来3人目。ともに米国でのレースだったため、国内大会での9秒台は初となる。

 多田は関学大の3年生。これまで自己記録は10秒22。今年4月の記録会で、参考記録となる2・9メートルの追い風で10秒17は出していたが、それ以上のタイムで走った経験はなかった。リオデジャネイロ五輪陸上男子400メートル銀メダルのリレーメンバーを脅かす存在が急浮上した。