陸上の桐生祥秀(21=東洋大)が11日、プラハ国際とダイヤモンドリーグ第4戦、ゴールデンガラ(ローマ)に出場した欧州遠征から成田空港着の航空機で帰国した。

 前日10日の全日本学生個人選手権の準決勝で多田修平(20=関学大)が追い風参考ながら9秒94を出し、決勝は公認記録の10秒08で、8月の世界選手権(ロンドン)の参加標準記録を突破した。23日開幕の日本選手権(大阪・ヤンマースタジアム長居)では世界選手権100メートル代表3枠を桐生、山県、ケンブリッジ、多田の4人で争う格好となった。桐生は「争いに勝って優勝したい。変な油断はない。4人いた方が盛り上がる。勝った人が一番強い。それを示すのが日本選手権。タイムを出すのが分かりやすい」。自己記録10秒01を持つ桐生も浮かれてはいられない状況となったが、むしろ競争激化を歓迎した。

 プラハ国際の決勝では悪いトラック状況で10秒11。ダイヤモンドリーグ第4戦、ゴールデンガラ(ローマ)では6着だったが、アジア記録保持者となる9秒91の自己記録を持つオグノテ(カタール)に先着した。「海外でも10秒1台で走れるようになった。9秒台の選手とも走っている」。自分の走りに集中すれば、結果は着いてくる。経験に裏打ちされた自信がある。

 日本選手権へは疲労回復に努めながら、準備を整えていく。