社会人2年目の鍋島莉奈(23=日本郵政グループ)が15分19秒87で初優勝し、8月の世界選手権(ロンドン)代表に内定した。

 残り2周で練習をともにする16年リオデジャネイロ五輪代表鈴木亜由子(25=同)がスパート。鍋島は冷静に対応し、最終周で振り切った。15分22秒00の同選手権参加標準記録も突破し「参加標準は考えず、まずは3着以内が目標だった。走った結果、タイムがついてきて良かった」と喜んだ。

 昨年のこの大会はリオ五輪の代表選考会だったが、故障でスタンドから応援となった。同僚の鈴木と関根花観が五輪内定をつかんだレースを「自分も挑戦する権利があったのに、ケガで…。心が痛くて、ずっと泣きながら応援していた」と振り返る。涙は1年後、満面の笑みに変わった。

 「(世界選手権は)現時点ではとても怖い。怖いけれど、勝ち取った権利なので、世界の舞台でパフォーマンスを発揮できるように練習していきたい」

 日本一にもおごることなく、さらなる成長を目指す。