川内優輝(30=埼玉県庁)が3年ぶり3度目の優勝を飾った。2時間10分3秒だった。


 川内は前半から落ち着いた走りを披露し、30キロ付近から先頭に立つと、33キロ付近で仕掛け、独走した。2週間前の福岡国際を走り2時間10分53秒で9位。今回のレースを2時間11分7秒以内となれば、2大会平均タイムで2時間11分以内となり、2019年9月以降に開催される東京五輪マラソン代表選考会となるマラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)への「ワイルドカード」での出場資格を手にする状況にあったが、これを見事にクリアした。


 注目された一色恭志(23=GMOアスリーツ)は終盤に失速し、2時間15分43秒で8位だった。


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優勝インタビューの後、2時間10分3秒の時計の横で笑顔を見せる川内優輝(撮影・上田悠太)
優勝インタビューの後、2時間10分3秒の時計の横で笑顔を見せる川内優輝(撮影・上田悠太)
防府読売マラソンで優勝した川内優輝(撮影・上田悠太)
防府読売マラソンで優勝した川内優輝(撮影・上田悠太)

◆順位

(1)川内優輝 2時間10分3秒

(2)浜崎達規 2時間11分26秒

(3)田中飛鳥 2時間12分17秒

(4)山下伸一 2時間12分32秒

(5)中村泰之 2時間12分36秒

(6)兼実省伍 2時間12分58秒

(7)倉田翔平 2時間13分16秒

(8)一色恭志 2時間15分43秒


◆ゴール 川内が独走トップでゴールし3年ぶり3度目の優勝。タイムは2時間10分3秒だった。2位は浜崎、3位に田中。一色は8位で2時間15分43秒だった


◆40・0キロ 川内は2時間3分15秒。この5キロは15分3秒という速さ。強すぎる。


◆38・0キロ 川内はこの1キロを3分1秒という速さ。驚異的な終盤の強さで、優勝への一人旅が続く。


◆36・0キロ 川内は快調に飛ばし、さらにペースアップ。サブ10が狙える状況だ。2位の浜崎の差は35秒差。


◆35・0キロ 川内は1時間48分12秒で通過。この5キロは15分19秒とペースアップ。3年ぶりの優勝へ完全に一人旅となった。川内から遅れて22秒差で一色が通過。 


◆33・3キロ 川内が坂道を一気にスパート、仕掛けが奏功。浜崎、一色は離された。 


◆33・2キロ 川内が力強く駆け上がっていく。一色が遅れる。浜崎も苦しい。 


◆33・0キロ 上り坂を使って川内が前へ出る。浜崎、一色は苦しそう。 


◆32・6キロ またも浜崎が先頭に出る。川内、一色は落ち着いた表情で付く。


◆32・0キロ 川内が再び先頭に立つ。一色がすぐ後ろ。3番手に下がった浜崎は苦しい表情だが、食らい付く。 


◆31・2キロ 浜崎が先頭に出る。川内と一色は落ちつた様子で付いている。先頭は3人に絞られている。 


◆30・0キロ 川内を先頭に1時間32分53秒で通過。ペースメーカー外れる。2番手で一色がタイム差なしで付いている。川内はこのペースなら2時間11分7秒以内でMGC出場資格をクリアできそう。


◆29・85キロ 川内ら8人の先頭集団が折り返し。 


◆25・9キロ 川内がスペシャルドリンクもしっかり獲得。集団はペースメーカーのアベラを先頭に縦1列になって走っていく。 


◆25・0キロ 先頭は1時間17分31秒で通過。この5キロは15分33秒。招待選手の中村、兼実らも食らいついている。


◆23・0キロ 初優勝を狙っている門田が遅れる。飛松も遅れる。先頭集団はペースメーカーのアベラ含め11人。川内は落ち着いた走り。


◆20・6キロ 給水地点、川内が先頭に出てボトルをつかむ。まだまだ元気な様子。一色は淡々と走っている。先頭集団の後方にはもう1人の「公務員ランナー」飛松も付いている。気温は10度まで上昇している。


◆20・0キロ 1時間1分58秒で通過。この5キロは15分35秒。先頭集団は15人。川内、一色は安定した走り。


◆19・0キロ 招待選手のワンジョイ(ケニア)が先頭集団から脱落。


◆17・0キロ 先頭は52分35秒ほどで通過。先頭集団は少し縦長に。 


◆15・0キロ 先頭は46分23秒で通過。この5キロは15分39秒。川内は変わらず先頭を走るペースメーカー・アベラのすぐ後ろをキープ。


◆14・0キロ 43分12秒で先頭が通過。直後の給水地点でも川内は無事にボトル獲得に成功。一団は安定した走り。


◆10・0キロ 30分44秒で通過。この5キロは15分25秒、先頭の一団は変わらず。 


◆9・0キロ 27分32秒ほどで先頭が通過。


◆8・6キロ 川内は給水ボトルの獲得に成功。落ち着いた表情で走っている。


◆7・0キロ 小雪が舞っている。気温は少し下がったか。この1キロは3分6秒ほど。


◆6・0キロ 1キロ3分3秒にペースアップ。川内はペースメーカー・アベラのすぐ後ろ。そのすぐ後方に一色の姿も。一団は安定した走り。


◆5・0キロ 15分19秒で通過。先頭集団は川内、一色ら約20人か。1キロ3分5秒ペース。


◆スタート地点 午後0時2分、一斉にスタート。天候は晴れ。気温5度、湿度46%、北西の風、秒速3・9メートル(正午時点)

防府読売マラソンを走るゼッケン4番の一色恭志ら(撮影・上田悠太)
防府読売マラソンを走るゼッケン4番の一色恭志ら(撮影・上田悠太)
防府読売マラソンを走るゼッケン2番の川内優輝ら(撮影・上田悠太)
防府読売マラソンを走るゼッケン2番の川内優輝ら(撮影・上田悠太)

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<招待選手> 【注】記録は自己ベスト、※はハーフマラソン

川内優輝(30=埼玉県庁)

▼2時間8分14秒=13年ソウル国際

門田浩樹(32=カネボウ)

▼2時間10分46秒=15年別府大分

一色恭志(23=GMOアスリーツ)

▼2時間11分45秒=16年東京

浜崎達規(29=南城市役所)

▼2時間12分12秒=15年東京

中村泰之(30=スズキ浜松AC)

▼2時間13分46秒=16年東京

兼実省伍(27=中国電力)

▼2時間14分15秒=16年別府大分

塚田空(26=SGホールディングス)

▼2時間15分16秒=16年大阪

飛松佑輔(26=日置市役所)

▼2時間15分32秒=17年鹿児島

ボニフェス・キルイ(30=ケニア)

▼2時間12分50秒=12年ソウル国際

デービッド・ワンジョイ(28=ケニア)

▼※1時間04分50秒=12年キュンスト

「MGC」出場条件

2017年8月1日〜2019年4月30日までの「国際陸上競技連盟が世界記録を公認する競技会」で、(1)、(2)のいずれかを満たした競技者。

(1)男子2時間08分30秒以内、女子2時間24分00秒以内

(2)期間内の上位2つの記録の平均が、男子2時間11分00秒以内、女子2時間28分00秒以内

東京五輪マラソン選考の仕組みとグランドチャンピオンシリーズ出場決定者
東京五輪マラソン選考の仕組みとグランドチャンピオンシリーズ出場決定者

 20年東京五輪マラソン代表選考方法 

 2019年9月以降に開催されるMGCで2枠を選出する。MGC出場には各レースごとに指定されている日本人順位と記録の基準を満たす必要がある。その他ワイルドカードでの出場権もある。MGCで優勝すれば五輪代表が内定。さらに2位と3位のうち過去に派遣設定記録を突破したことがある上位の選手、突破者がいない場合は2位の選手が代表入りする。残り1枠は男女各3大会の中から、19年5月に発表される設定記録を突破した記録最上位の選手が選ばれる。

 現時点でMGCへの出場権は、男子が大迫傑(ナイキ・オレゴンプロジェクト)、上門大祐(大塚製薬)、竹ノ内佳樹(NTT西日本)と8月の北海道を制した村沢伸明(日清食品グループ)、女子は北海道優勝の前田穂南(天満屋)が獲得している。