改革なくして進化なし-。箱根駅伝4連覇を達成した青学大の原晋監督(50)は5日、都内の日本記者クラブで会見。旧態依然の陸上界をぶった切り、改革の必要性を訴えた。

 箱根駅伝の全国化、実業団の移籍自由化など具体案を提示。新国立競技場が東京五輪後に球技専用になることを陸上界の責任で反省しなければならないと強調した。

 ★箱根駅伝の全国化

 一部から声が上がり始めた箱根駅伝の全国化。原監督は全面的に賛成する考えを示した。

 原監督 30%以上の視聴率を考えても、箱根駅伝は公共の文化財。多くの国民もそう思っているはず。

 独自の調査も披露した。ある年の高校3年生の5000メートルのベスト100の選手のうち、87・4%が関東の大学に進学。逆に昨年の箱根駅伝の選手たちのうち68・8%が地方出身だったという。

 原監督 全国化はふるさと創生にもなる。指導者の雇用も増える。

 続けて主催の関東学生陸上競技連盟の議論が遅いことも批判した。

 原監督 旧態依然の組織に発展はない。箱根がどうあるべきか、議論を進めるべき。そうしないと陸上界の大きな発展につながらない。

 ★実業団チームの移籍自由化

 現状ではチームの部長、監督のはんこがないと、移籍が認められない。中には「飼い殺し」状態になった選手も少なくない。

 原監督 国内の枠でなく、世界を見ないと、世界では戦えない。高校、大学とレベルが上がっているのに、実業団は疑問。実業団チームは(移籍自由化などを認め)一枚岩で東京五輪へ強化を取り組むべき。

 ★新国立競技場問題

 五輪後は球技専用になることが決まっている。当初は「陸上人として残念だったが、冷静に考えると当たり前」と話し、持論を展開した。

 原監督 陸上の日本選手権が(お客さんで)いっぱいになったことがない。満員がない。これは陸上界にかかわる1人1人が普及を怠った結果。反省しないといけない。球技化は残念で終わらせてはいけない。真剣にファンを増やすことを考えないと。

 陸上界の異端児と公言する男の熱い話はとどまることを知らなかった。