リオ五輪1万メートル代表で、マラソン初挑戦の関根花観(はなみ、22=日本郵政グループ)が2時間23分7秒で日本勢最高の3位となった。

   ◇   ◇

 関根選手は、初マラソンなのに25キロ過ぎで1人になっても冷静だった。単独走はしんどいし、前と差が開くと気持ちも沈むものだが、堂々と走った。走ることが好きで、休日でも30キロ走るという選手。その気持ちと日々の積み重ねが距離に対する不安を消している。

 トラックの1万メートルで世界選手権に出場したことも生きた。ものすごくスピードがあるわけではないが、海外勢の動きや激しいペースの上げ下げを経験している。上体が前傾気味のフォームだが、体のブレがない。広めのストライドも、海外勢と戦う上でいいだろう。

 昨年の名古屋で安藤選手が2時間21分36秒。それが起爆剤となり、大阪国際の松田選手や関根選手ら20代前半の選手が刺激しあっている。1人がどんとタイムを出すと全体のレベルも上がる。あとは選手層。1大会で5、6人がいいタイムで走ってほしい。(04年アテネ五輪金メダリスト)