今年の箱根駅伝で4連覇を達成した青学大の原晋監督(51)が26日、東京・新宿区の大隈講堂で行われた早大大学院の学位授与式に出席した。ともに東京・町田市内の寮に住み込む美穂夫人に見守られながら、学位を授与された。

 昨年、駅伝ではライバル校の早大の大学院スポーツ科学研究科に入学。元プロ野球選手の桑田真澄氏、競泳の日本代表平井伯昌ヘッドコーチらが学んだ平田竹男研究室で、EXILEのTETSUYA、04年アテネ五輪柔道男子100キロ超級金メダルで国士舘大の鈴木桂治監督らと1年間、学んできた。

 1年間の学生生活の集大成となる修士論文のタイトルは「青山学院大学駅伝チームの箱根駅伝強化の軌跡~予選会突破からシード権確保、四連覇まで~」で、A4サイズで80枚の大作。締め切りは箱根駅伝の本番とほぼ重なり、睡眠時間を削りながら書き上げた。原監督は「箱根の必勝法が解明できた。駅伝はもちろん、大学スポーツ全体の発展に寄与したい」と今後の糧になる論文になった。

 論文は平田研究室の最優秀論文賞を受賞した。平田竹男教授からは「(監督就任から)10年以上のデータと資料を保存してあったことが良かった。掘り起こすのは大変だっただろうが、自分自身の気づきにもなったはず」と、1年間の労をねぎらわれた。

 昨年、箱根駅伝3連覇と大学駅伝の年度3冠を達成し、1つの達成感を得た。一方で、マンネリズムに陥る危機も痛感。「同じことを学生たちに話す自分がいやになった」と、自身のレベルアップを図るため、大学院入学を決意した。ライバルは他校ではなく、野球、サッカーが持論。大学院の経験を、箱根駅伝の連覇だけでなく、幅広くスポーツ界にいかしていく決意は強い。