陸上女子で、昨年の日本選手権100メートル、200メートルを制した市川華菜(27=ミズノ)が13日、シンガポール遠征から帰国した。

 シンガポール・オープンに出場し、100メートルは予選は11秒76、決勝は11秒78で3位。約半年ぶりの実戦で「練習ではない筋肉痛が出た。刺激が入って、目覚めたかな」と振り返った。課題にはスタートを挙げる。先月、右足を捻挫し、十分に練習を積めない期間があった。「痛みはない」が本来の感覚とは遠いようで今後、修正を加えていく。

 また同遠征では女子400メートルリレーにも出場。第1走から福島千里(セイコーホールディングス)、市川、斎藤愛美(大阪成蹊大)前山美優(新潟アルビレックスランニングクラブ)の順で44秒31の大会新記録で優勝した。今夏のジャカルタ・アジア大会へ向け好発進。練習時間が少なく不安視されたバトンワークも「流れがすごく悪いことはなかった。幅が分かって、チームワークがいいと感じました。楽しみだと思います」と笑顔。まだ初戦だけに「これから走力がついてくる」と手応えをつかんだ様子だった。

 400メートルもこなせる市川は、20年東京五輪(オリンピック)で新たに採用される混合1600メートルリレーでの出場も期待される。「男子と女子の差がすごくある」と現状を分析した上で「走りたいと思えるように力をつけないといけない」と力を込めた。