陸上の15年世界選手権男子50キロ競歩銅メダリスト谷井孝行(35=自衛隊)が全日本競歩輪島大会の号砲を翌日に控えた14日、石川・輪島市内で会見に出席した。

 3時間43分以内での優勝を目標に掲げたベテランは「東京を本気で戦うなら明日は大事な大会。納得して優勝したい」と力を込めた。

 15年世界選手権後、メダルを期待された16年リオ五輪は14位。「心にぽっかり穴が空いた感じ。奥底から気持ちが上がってくることはなかった」と言う。17年世界選手権には出場すらできなかった。近年、確かにモチベーションには苦しんだが、体は衰えたとは思っていない。「練習でやってきているものは、北京(15年世界選手権)と同じか、それ以上のもの」と語った。

 同大会は今夏のジャカルタ・アジア大会の代表選考も兼ねている。韓国・仁川で開催された4年前の前回、日本競歩にアジア大会初の金メダルをもたらした男は「出場したい。2連覇を目指したい」と力を込めた。また「引退する理由は見つからない。どこかで結果を残したい気持ちがある」と話す。まだ世界の舞台に復活できると信じている。