日本マラソン界のレジェンドで、日本陸連のマラソン強化戦略プロジェクトリーダーを務める瀬古利彦氏(61=横浜DeNAランニングクラブ総監督)が17日、ボストンマラソンを制した川内優輝(31=埼玉県庁)に祝福のメッセージを寄せた。

 結果は今朝、ニュースで知ったという。「正直、優勝はありえないと思っていましたので、驚きました。劣悪なコンディションの中、我慢強く走ってくれました」。昨夏の世界選手権覇者のジェフリー・キルイ(ケニア)らに先着する大金星を喜んだ。

 同氏は31年前の87年にボストンを制した。川内の優勝は日本人では瀬古氏以来の快挙だった。

 「うれしいですね。30年以上も前の人の記録を超えられないのは日本のマラソン界が落ちているということになってしまうから」

 前回大会では大迫傑(26=ナイキ・オレゴンプロジェクト)が3位。2月の東京では設楽悠太(26=ホンダ)が16年ぶりに日本記録を更新した。新戦力に続き、ベテランも結果を残した。「男子マラソンもこれから盛り上がる気がする」と声を弾ませる。そして「感動を与える走りをする川内の走りは勉強になる。若手の手本となってもらいたい」と言う。

 川内は寒さは得意な一方、暑さは苦手と自覚しており、20年東京オリンピック(五輪)の挑戦を見送る意向を示している。ただ東京五輪の代表2枠を決める「グランド・チャンピオンシップ」(19年9月以降)の出場権は昨年12月に獲得している。

 「東京五輪は出ませんと言っていますが、ぜひMGC(グランド・チャンピオンシップ)には出て欲しい」

 グランド・チャンピオンシップの出場を心から願っていた。