15年世界選手権で男子50キロ競歩銅メダルの谷井孝行(35=自衛隊)が本年度限りでの現役引退を表明した。来年度からは自衛隊のコーチとなる。

3時間51分54秒の4位だったレース後、目には光るものがあった。その後、日本競歩界でオリンピック(五輪)、世界選手権を通じ、初のメダルを獲得した男は「今シーズンいっぱいで現役を退こうと考えている」と明かした。来年2月の20キロの日本選手権(神戸)が現役ラストレースとなる予定。50キロは今回が最後となった。「いい思い出に残る50キロ」と話した。

16年リオ五輪で荒井広宙(30=自衛隊)が銅メダルを獲得し、「肩の荷が下りた。後ろの世代に任せていける」との思いが込み上げてきたという。その後はモチベーションが上がらず、苦しんでいた。今夏にコーチらとも相談し、引退を決断したという。今後は指導者として「選手の力を伸ばすことに力を注いでいきたい」。荒井や今大会を3時間39分47秒の日本記録で制した野田明宏(22=自衛隊)らを、20年東京五輪で金メダルを取れる選手に育てていく。