00年シドニーオリンピック（五輪）女子マラソン金メダリストの高橋尚子さん（46）が26日、かつてコンビを組み、24日に80歳で亡くなった小出義雄さんへの思いを明かした。

28日に行われる「高橋尚子杯　ぎふ清流ハーフマラソン」の発着点となる岐阜長良川競技場で報道陣に対応。小出さんから受け継ぐものについて語った一問一答は、以下の通り。

－今後、小出監督にどういったマラソン界を見せたいか

高橋さん　私の中に小出監督から教えていただいたこと、かけられた言葉はしっかりと根付いています。私も五輪や世界記録で人生を大きく変えましたけれど、そうやって陸上で自分の人生を切り開いてくれる子につながるように、経験を伝えられる存在になりたいと感じています。

－陸上界にとって、小出監督が残したものは

高橋さん　「日本の選手でも五輪で戦うことはできるんだよ」っていう、大きな可能性を残してくれたと思います。今はアフリカ勢が強いですけれど、今までにこれだけの選手たちが五輪でメダルを取って、タイムも（2時間）20分を切っているような事実が、今の選手たちの大きな可能性と、やる気、モチベーションにつながると思います。今の選手たちは、素質がある子がたくさんそろっているので、自分の才能を、自信をもって広げてもらいたいなって思っています。

－これからご自身の名前を冠した大会（ハーフマラソン）が始まる

高橋さん　一昨日にこの話を聞いてから、信じられない気持ちでいっぱいで、昨日、監督にお会いして、なかなか前を向けなかったんですけれど、監督が願っているのはそういうことではないと思う。今の私があるのも、ぎふハーフマラソンをやらせていただくのも、監督が作ってくださった道のおかげ。そしてたくさんの人たちが「マラソン楽しい」って思ってくださる時代になったのも、監督の指導が根元にあったおかげだと思うので、笑顔でこの大会を迎えられるように、気持ちを切り替えて、元気に開催したいと思います。

－監督に向かって、最後に一言かけるとすれば

高橋さん　「笑って送ってくれよ」って言われていたので、監督に教えてもらったことをしっかり忘れずに、これからも多くの人たちと走る楽しさ、監督に教わったことをしっかりと伝えながら頑張っていきます。あとは「安心して、ゆっくり、大好きなかけっこ、沢山のお酒を飲んで、上（天国）から『ワハハハハッ』と笑っていてください」と伝えたいです。