IAAF(国際陸上競技連盟)ワールドチャレンジ第3戦「セイコー・ゴールデングランプリ大阪」(日刊スポーツ新聞社共催)が19日、ヤンマースタジアム長居で開催される。ニッカンスポーツ・コムでは今回から世界から集結するトップアスリートに挑む日本の5選手を紹介。第2回は男子200メートルに出場する飯塚翔太(27=ミズノ)。200メートルで日本歴代2位となる自己記録20秒11を持つ男は、急性虫垂炎からの復帰戦に挑む。

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飯塚は急性虫垂炎からの復帰レースとなる。アジア選手権(ドーハ)へ出発前の4月16日夜に痛みが出た。17日に手術し、へそなど3箇所から内視鏡を入れ、21日まで入院した。代表に選出されたアジア選手権、世界リレー大会(日産スタジアム)は本調子でなく、回避するも、思考ポジティブだ。今回の手術によって、昨春も悩まされた腸腰筋の痛みが術後になくなった。「少しずれてドーハに行く飛行機の中、現地にいって痛めていたら大変なことになっていた。試合に入る前に練習を落とす時期だったからよかった。バリバリ練習する時期だったら大変。もう体も出来上がって休もうという時期だった」と笑う。

前向きでいられる裏付けには充実の2、3月がある。シーズンを占う大切な練習期。短距離選手としては異例の高地トレーニングを2年連続で敢行した。標高約1900メートルのメキシコ・ケレタロで約1カ月。気圧が低く、空気抵抗が小さくなる高地はスピードが出やすい環境に身を置き、速く走るイメージ、動きを体に染み込ませた。「個人的には最近で一番いい合宿ができた」。けがもなかった。すでにシーズンを戦える準備を整えていたから、アクシデントによる1週間の休養など意に介さない。

まずは19年世界選手権(ドーハ)の20秒40、そして20年東京オリンピック(五輪)の20秒24の参加標準記録を突破することに視線を向ける。16年リオデジャネイロ五輪は、男子400メートルリレーで銀メダルを獲得するも、個人の200メートルでは予選敗退。「たしかに400メートルリレーで銀を取っても、悔しさは消すことはできない」と言う。1年後に迫った東京は3度目となる五輪になる。積み重ねた経験、そして屈辱も飛躍の糧とする。【上田悠太】

◆日時 5月19日(日)午前8時30分開場、同9時サブイベント開始、同10時15分競技開始

◆会場 ヤンマースタジアム長居

◆入場料(当日券)

S席(指定席)=4500円。A席(ブロック指定)=一般3500円、小中高校生2500。B席(ブロック指定)=一般2000円、小中高校生1500円。小学生未満無料。

◆大会HP http://goldengrandprix-japan.com